テレビに耳ありラジオに目あり

テレビ/ラジオを自由気ままに楽しむためのレビュー・感想おもちゃ箱、あるいは思考遊戯場

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2012-01-01から1年間の記事一覧

『日刊サイゾー』ラジオ批評連載コラム「逆にラジオ」特別編~ラジオ事件簿2012~

ラジオ批評「逆にラジオ」の年末企画特別編として、今年のラジオ界を賑わせた3つの事件の事件をきっかけに、2012年を総括してみました。 【おぎやはぎ小木のAKB批判は、ラジオの優れた伝達能力を証明した!? ラジオ事件簿2012】 http://www.cyzo.com/2012/12/…

『日刊サイゾー』ラジオ批評連載コラム「逆にラジオ」第12回更新~『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』~

『日刊サイゾー』のラジオ批評連載コラム「逆にラジオ」弟12回は、『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』にビートたけしが生出演した回(12/14)について。 【ビートたけしが『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』で披露した、マシンガントークの神髄】 http://www.…

『THE MANZAI 2012』感想

笑いをボケの質と量ではかるならば、今年はとにかく「量より質」の大会だった。量が増えたぶん一個一個のボケが浅くなるという、わりと当たり前の問題を孕んでいるコンビが多かったという印象。もちろん、その両立こそが理想なのだが。 以下、登場順に。 《A…

『日刊サイゾー』ラジオ批評連載コラム「逆にラジオ」第11回更新~『オードリーのオールナイトニッポン』~

『日刊サイゾー』のラジオ批評連載コラム「逆にラジオ」弟11回は、『オードリーのオールナイトニッポン』について。 【楽屋オチを吹き飛ばす、ネガティブ若様ご乱心の新境地『オードリーのオールナイトニッポン』】 http://www.cyzo.com/2012/12/post_12116.…

『日刊サイゾー』ラジオ批評連載コラム「逆にラジオ」第10回更新~『たまむすび』~

『日刊サイゾー』のラジオ批評連載コラム「逆にラジオ」弟10回は、『たまむすび』について。 この春に、新番組とはいえ、前番組の看板を半分背負わされたような微妙な形でスタートしたこの番組が、前任者から何を引き継ぎ、何を捨て、新たにどんな道を開拓し…

『IPPONグランプリ(第8回)』2012/11/17放送回~王者精彩を欠く多様性の季節~

大喜利の祭典も8回目ということで、良い意味でも悪い意味でも、だいぶ笑いの基準がわかりにくくなってきた。 『M-1』にしろ『キングオブコント』にしろ『すべらない話』にしろ、回を重ねていくと軸がどんどんブレるというか増えていって判定が難しくなるもの…

『日刊サイゾー』ラジオ批評連載コラム「逆にラジオ」第9回更新~『ピース又吉の活字の世界』~

『日刊サイゾー』のラジオ批評連載コラム「逆にラジオ」弟9回は、今や文学好き芸人といえば太田光よりもこの人、というピース又吉の番組に関して。 【笑いと文学をつなぐ究極読書芸人の隠れ家的ユートピア『ピース又吉の活字の世界』】 http://www.cyzo.com/…

『日刊サイゾー』ラジオ批評連載コラム「逆にラジオ」第8回更新~『えのきどいちろうの水曜Wanted!!』~

『日刊サイゾー』のラジオ批評連載コラム第8回は、ずっと待ち望んでいたえのきどいちろうの新番組について。 【気づきすぎるコラムニストが、虫めがね的観察眼で見いだす小さな大発見『えのきどいちろうの水曜Wanted!!』】 http://www.cyzo.com/2012/10/post…

『日曜ゴールデンで何やってんだテレビ』2012/10/28放送回~毒にも薬にもならない笑いの医薬部外品~

主役が楽をする番組は、やはり面白くなりようがない。それにしても、2回目にしてここまで熱量のない番組になるとは。 先週書いたことが、まさに悪いほうに当たってしまった。若手芸人(キングオブコメディ、、劇団ひとり、東京03)にネタをやらせて、主役の…

『解決! ナイナイアンサー お騒がせ芸能人がアノお悩みを初告白SP』2012/10/23放送回~さんまあるいは紳助のためのフォーマット~

小林麻耶にあだ名をつけるとしたら「罠」。改めてそう確信した。それに関してはなんとなく感覚で把握していただくとして、ナインティナインの新番組である。 芸能人が各界から連れてきた20人もの相談員に悩み相談をするという、『ホンマでっか!?TV』にゲスト…

『日曜ゴールデンで何やってんだテレビ』2012/10/21放送回~テレビ界を揺るがす「大物二人」ブームは来るのか?~

ビートたけしと石橋貴明による新番組。この番組が今後のバラエティ番組のありようを変えていくかもしれない。 こういう言い方をする場合、「かもしれない」と言いながらも書き手は「そうに違いない」と裏で思っていたりするものだが、そうではなくて本当に、…

『日刊サイゾー』ラジオ批評連載コラム「逆にラジオ」第7回更新~「安住二世」と呼ばれたくないTBS若手アナが解き放つ、暗黒のポテンシャル『ザ・トップ5~リターンズ』~

『日刊サイゾー』のラジオ批評連載コラム第7回は、ナイターシーズンを挟んで帰ってきた『ザ・トップ5~リターンズ』水曜日、というか突如として想定外のネガティブな魅力を開花させつつある山本匠晃アナウンサーについて。 【「安住二世」と呼ばれたくないTB…

『日刊サイゾー』ラジオ批評連載コラム「逆にラジオ」第6回更新~『宮川賢のまつぼっくり王国』~

『日刊サイゾー』のラジオ批評連載コラム第6回は、関東圏では土曜深夜4:00~4:30というエアポケットのような時間帯に放送されている、『宮川賢のまつぼっくり王国』について。 【めくるめく複眼思考の、ひとりしゃべりキングダム『宮川賢のまつぼっくり王国…

『キングオブコント2012』感想

決勝進出者のラインナップを見た時点で、今回は明らかに無名選手が多いのは間違いなく、地味というよりはサッカーでいうところのU-23五輪代表のような、あえて実力者を排除しているような制作者サイドの狙いを感じたのだが、結果的にはいつものように「半数…

『日刊サイゾー』ラジオ批評連載コラム「逆にラジオ」第5回更新~『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』~

『日刊サイゾー』のラジオ批評連載コラム第5回は、お洒落な場所に爽やかさのかけらもない、悪夢のような白昼夢のような秘密基地のような地下要塞をこさえた番組について。 【地方FMというアウェイの地に築かれた、毒舌王の強烈な磁場『有吉弘行のSUNDAY NIGH…

『キカナイトF』終了に寄せて

現時点でこの上なく魅力的なメンバーを揃えていながら、その使い道が最後までわからず迷走した『キカナイトF』が来週で終わる。残念だが納得だが残念。 深夜のパイロット版のときは、「まあパイロット版だから今後に期待」という感触が強かったが、結局のと…

『日刊サイゾー』ラジオ批評連載コラム「逆にラジオ」第4回更新~『オールナイトニッポン お笑いオールスターウィーク』~

『日刊サイゾー』のラジオ批評連載コラム第4回では、ニッポン放送で先週一週間にわたり特別編成された『オールナイトニッポン お笑いオールスターウィーク』を取り上げています。 深夜ラジオファンの中に、最近の『オールナイトニッポン』が迷走していると感…

『日刊サイゾー』ラジオコラム「逆にラジオ」第3回更新~『JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』~

『日刊サイゾー』のラジオ批評連載コラム第3回です。 【五輪なでしこ戦の裏で炸裂した、ラジオの王様の誠実な毒『JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』】 http://www.cyzo.com/2012/08/post_11190.html ラジオでの伊集院光の魅力に関しては、もうすでに皆さんご存じ…

『日刊サイゾー』ラジオコラム「逆にラジオ」第2回更新~『安住紳一郎の日曜天国』~

『日刊サイゾー』のラジオ批評連載コラム第2回です。 【局アナの枠を飛び出したマジカルな思考回路の冒険『安住紳一郎の日曜天国』】 http://www.cyzo.com/2012/07/post_11101.html 安住さんの思考回路は、土屋賢二やえのきどいちろうや内田百閒のエッセイに…

『27時間テレビ』でタモリを熱くさせるのは誰だ?~『プレタモリ』2012/7/17放送~

今のタモリに必要なのは、刺激だけなのかもしれない。その実力も感性も、まだまだ鈍ってはいない。しかしその刺激の供給源は、いったいどこにあるのか? 今回の『27時間テレビ』は、おそらくそこが最大の見どころになるだろう。そう予感させる事前番組だった…

ラジオ批評連載コラム「逆にラジオ」開始~『JUNKサタデー エレ片のコント太郎』~

『日刊サイゾー』にて、ラジオ批評連載コラム「逆にラジオ」が始まりました。月2回ペースで更新の予定です。 「個人的には全然『逆』じゃなくて『当然』だけど、世間的にはやっぱり『逆』なのかもしれない」というスタンスで、ラジオについて考えていくこと…

『夏が来た!! HEY!HEY!HEY! お台場“生”の歌祭り』2012/7/9放送回~生のボケが持つ笑いの牽引力~

最近の松本人志はまとめのコメントがやたら上手い。その上手さはどの上手さかというと落語的な上手さで、たとえば鈴木奈々のような天然系タレントが2分かけて喋ったオチのない話を、ひとことで完全に表現しつつ若干のひねりを加えてオチをつける、そんな能力…

『エンタの神様 大爆笑の最強ネタ大連発SP』2012/6/30放送~見事に功罪相半ば~

前回のスペシャルに引き続き、新録ネタと既発ネタをごちゃ混ぜにした謎の構成。 単純に番組の「現役感」を出したいから新録ネタを混ぜているということなんだと思うが、明らかに過去の傑作に比べ新録ネタが弱いので、番組に関してはむしろ「終わった感」のほ…

『ロンドンハーツ』2012/6/26放送回~笑いは誰のものだ?~

笑いはいつから大人のものになったのか? いやもとから大人のものだったのかもしれないし、たとえば欧米ではそもそも大人のものなのかもしれない。だが自分が子供だった頃のことを考えてみると、笑いは間違いなく子供のものだったような気がする。 当時の大…

『人志松本のすべらない話』2012/6/23放送回~おもしろき こともなき世を おもしろく(晋作高杉のすべらない辞世の句)~

『すべらない話』を観ていると、いつも「そもそも『すべらない話』とは何だろう?」という原点に立ち戻らされる。 もちろんそんなのは単なる言葉のニュアンスの問題であって、面白ければ何でもいいという意見にはむしろ賛成だが、話者が15人にまで膨れ上がっ…

『ピカルの定理』はなぜ面白くならないのか?

「単純にネタの面白い芸人を集めれば面白い番組ができるわけではない」というのはもうすっかり周知の事実だが、それはなぜかと問われれば、たぶん答えが多すぎて特定することは難しい。コンビ同士の相性や、コントか漫才かの違いに代表される方向性の違い、…

『アメトーーク!』化以降のフォーメーション芸~『ロンドンハーツ』2012/6/19放送回~

最近の『ロンハー』は、企画云々よりも芸人のフォーメーションを楽しむ番組になっていて、そういう意味ではどんどん『アメトーーク!』化している。プロデューサーが同じなので自然と言えば自然な流れなのだが、むしろ意識的に寄せていっているようにも思え…

『JUNK おぎやはぎのメガネびいき』2012/6/14放送回~チャーハンの上で空転するエロス~

ためになる新書が売れ、実用的な情報番組が求められ、誰もがTwitterで自分の役に立つ情報をかき集め、さらにはご親切にもそんなお役立ち情報をリツイートして拡散までしてくれる今の世の中、ここまで役に立たないことしかやってない番組が存在することの奇跡…

『OMOJAN』2012/6/12放送回~短く、太りすぎた企画~

毎回不完全燃焼の番組。その原因は挙げればキリがない。 番組の時間が正味20分しかない。5枠のうち2枠が宣伝目的の、笑いセンスのかけらもない人に与えられる。そもそもいらない審査員の、的外れな褒め言葉。司会の三田アナの、進行することしか考えていない…

『JUNK 伊集院光深夜の馬鹿力』2012/6/11放送回~長き逡巡の末の一瞬の和解劇~

伊集院光とアンタッチャブル柴田が和解した。というか、「和解する必要もなかったことがようやく判明した」と言ったほうが正しい。実はそういう曖昧な関係にこそ明確な和解が必要なのだ。それがたとえ、単なる儀式のようなものに過ぎなくても。 そもそも二人…