テレビに耳ありラジオに目あり

テレビ/ラジオを自由気ままに楽しむためのレビュー・感想おもちゃ箱、あるいは思考遊戯場

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2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

2016夏ドラマレビュー『侠飯~おとこめし~』/物語の骨太な軸と繊細なディテールが織りなす、文字通り「おとこめし」な世界

とにかくいちいち面白いドラマである。細部の緩い作品をよく「詰めが甘い」というが、それでいうと「詰めが辛い」というべきなのか「詰めが無糖」とでもいうべきなのか? せっかくなので「詰めが旨い」と言いたい。 「またテレ東深夜にお得意の飯テロドラマ…

2016夏ドラマレビュー『家売るオンナ』~ケレン味溢れるキャラクターと物語の強度~

とにかく「ケレン味」の強いドラマである。その思いきりの良さがこのドラマの入口になり、おそらくは出口にもなっている。 冷酷無比でありながら確実に結果にコミットしてくる主人公・三軒家万智(北川景子)は、同局同枠の大ヒット作『家政婦のミタ』の三田…

『刑事7人』シーズン2初回レビュー~何人いても『刑事7人』~

あまりにも率直すぎるタイトルに騙されてはいけない。シンプルに見えて、これが案外「食えない」刑事ドラマなのである。嬉しい誤算と言いたい。 まず何よりも、人数の問題がある。といっても、「7人は多すぎる」とかそういう話ではない。そもそもこのドラマ…

2016夏ドラマ『神の舌を持つ男』第2回レビュー~特殊すぎる設定がもたらす「強度」と「足枷」~

『トリック』風味ではありながら『トリック』クオリティではなかった初回からの挽回を期待したが、この2話目も蓋を開けてみれば1話目と同じような展開で、むしろ早くも物語設定と特殊能力の限界が露呈してしまった印象。 主人公たちの道のりが「温泉巡り」と…

2016夏ドラマ『神の舌を持つ男』初回レビュー~迸る堤幸彦演出の「旨味」と「灰汁」~

「神の舌を持つ男」と言われて真っ先に思い浮かぶのは、やはりイジリー岡田と『ジョジョ』の花京院。そこに主演・向井理と聞いて、「その二人に比べると“レロレロ感”が弱いな」と勝手に思ったのは事実だが単なる難癖とも言う。 ――など言いつつ、その二人を擁…

「2016夏ドラマ」傾向と対策

2016年夏ドラマのラインナップが出揃った。 例によって、プライムタイムはタイトルを見ただけで「恋」と「仕事」に二分できるのが最近の傾向。一方で深夜帯は「お金」がらみの作品が妙に多い。世相を反映しているのか、世相を先取りしているのか。そしてテレ…