2015-01-01から1年間の記事一覧
年末年始といえば、ネタ番組の大量出現にお笑い好きとしてワクワクしつつも、同じネタを繰り返し観ることになって食傷気味になるのは例年の通り。その中で本当に存在価値があるのは、単にそれぞれの「鉄板ネタ」を並べただけの番組ではなく、やはり番組とし…
有無を言わせぬ顔圧と含みのある発言で、グイグイと一般市民をプレッシングしてくる権力者の肖像。これさえあれば、どんな願いも思いのまま!? だけど時々ちょっぴり乙女……。 虚実空転レーベルのLINEスタンプ第2弾ができました。その名も『権力ちゃん』(「権…
やはり「キャラクター」は強い。「キャラクター」と「笑い」の間には、間違いなく密接な関係がある。 とはいえ『M-1グランプリ』は漫才、つまり「ネタ」の勝負である。しかし漫才のネタというのは、あくまでもネタでしかなくて、それ単体では存在し得ない。…
時は生き馬の目を抜くSNS戦国時代。再頻出単語「いいね!」を制する者はLINEを制すとか制さないとか。 善意のみでなく悪意や嘲笑までフルカバーする「いいね!」バリエーション全40種で、目指せニュアンス自在のいいね無双――。 というわけで、LINEスタンプを…
『キングオブコント2015』にて、500点満点中478点という最高得点を叩き出したロッチの1本目(試着室ネタ)。2本目のユルさが大きく足を引っ張って優勝こそ逃したものの、このネタが今大会のハイライトだったと感じた人も少なくないだろう。得点だけでなく、…
笑いにもどうやら、「コストパフォーマンス」という尺度があるらしい。それでは言葉の持つイメージが悪すぎるというのなら、思いきってそれを「純度」と言い替えてもいい。この二つはまったく違う、ともすれば正反対に響く言葉だが、「余計なものが削られて…
果たしてお笑い芸人に、今さら「型どおりの技術」を求めるべきなのかどうか、「上手さ」と「笑い」の質と量は比例するのかどうか。そういった問題に関して、お笑いコンテストの結果を見るたびに考えさせられる。もちろん重要なのは「面白いかどうか」のほう…
このたび新たにホームページを開設してみました。このブログが「箱」なので、ひとまわり大きく「島」を名乗ることにしました。むろん『高橋名人の冒険島』リスペクトです。どちらかというと毛利名人派です。 【井上智公の虚実空転島】 http://tmykinoue.wix.…
当然だが物事を制作するにおいてもっとも肝要なのは、何事においても「適材適所」を心がけるということである。餅は餅屋、蛇の道は蛇。たとえば事実の報道を旨とするニュース番組の司会に、嘘つきのお笑い芸人を置くなんてのはもってのほかである。 一方、笑…
話を聞く気のない人には、何を言っても通じない。自分のちっぽけなプライドを守ることだけに汲々として他人の意見に耳を塞いでいる人間には、どんなに有益な情報をどんなに親切に伝えようと、すべてがはじかれてしまう。 それは「人」の問題ではなく、あるい…
「世界観」という言葉が安売りされるようになって久しい。何かを評するとき「世界観がある」といえば、本来圧倒的な褒め言葉であるはずなのに、いつからかそれは、中身に美点を見出せなかったものを苦し紛れに褒める際に持ち出されるお手軽便利な言葉になっ…
人の話というのは不思議なもので、相性のいい触媒を得ると面倒な手続きなしに一気に深いところまで行ける。文章とは異なる会話ならではの面白さとは、まさにそういった「打てば響く」関係がもたらしてくれるものだ。この日の『ヨルタモリ』にゲストとして訪…
『オールナイトニッポン』といえば、たけし・タモリ・さんまの時代から芸人にとっての戦場であり花の大舞台であり一世一代のチャンスである。むろんあの時代ほどの神通力はないかもしれないが、それにしたって多くの芸人にとって憧れのステージであることに…
『ラブレターズのオールナイトニッポン0』が、一年間の放送をもって幕を閉じた。それについて思うところはTwitterにもいくつか書いたが、改めてここに書き記しておきたい。 そもそもの始まりは、2012年夏の『オールナイトニッポン45周年 お笑いオールスター…
《才能も知恵も努力も業績も忠誠も、すべてを引っくるめたところで、ただ可愛気があるというだけの奴には叶わない》(谷沢永一『人間通』) とにかく小宮の可愛気が炸裂している。笑いには何よりも可愛気が不可欠だということを、改めて痛感させられる三四郎…
今季のドラマで今もなお観ているのは、『銭の戦争』『○○妻』『流星ワゴン』の3本。中でも最も楽しみにしているのが、『銭の戦争』。 何よりもまず、相変わらず渡部篤郎の演技が素晴らしい。多くの俳優が目標としている「クール&ユーモラス」な松田優作路線…