2016-01-01から1年間の記事一覧
毎度司会者や審査員は、口を揃えて「今回はレベルが高い」と言うものだが、今回は本当にレベルが高かった。ゆえに何か強引にでも確固たる評価軸を設定しておかないと、異様に審査が難しい大会だったと思う。 きっと審査員のうちの何人かは、自分の趣味嗜好を…
大河ドラマ『真田丸』におけるキャラクター設定に、ここへきて無理が目立ちはじめている。三谷幸喜脚本による新解釈のツケは、やはり物語後半に少なからず負荷をかけるということらしい。特に歴史ドラマは結末が決まっている以上、斬新なキャラクター設定は…
コントには、大きく分けてネタを「縦方向に掘り進める」型と「横方向に展開させる」型の2つがあるような気がする。いやコントに限らず、映画であれ漫画であれ文学であれ、そういう選択肢は常にある。 たとえば面白いワンフレーズを思いついたときに、それを…
10月から、『アメトーーク!』が週2回放送になるらしい。 http://www.oricon.co.jp/news/2077897/full/ 本人は違う曲を演奏しているつもりでも、聴き手からすると「この人、なんか最近似たような曲ばかりやってるな」と感じることが、音楽ではよくある。それ…
とにかくいちいち面白いドラマである。細部の緩い作品をよく「詰めが甘い」というが、それでいうと「詰めが辛い」というべきなのか「詰めが無糖」とでもいうべきなのか? せっかくなので「詰めが旨い」と言いたい。 「またテレ東深夜にお得意の飯テロドラマ…
とにかく「ケレン味」の強いドラマである。その思いきりの良さがこのドラマの入口になり、おそらくは出口にもなっている。 冷酷無比でありながら確実に結果にコミットしてくる主人公・三軒家万智(北川景子)は、同局同枠の大ヒット作『家政婦のミタ』の三田…
あまりにも率直すぎるタイトルに騙されてはいけない。シンプルに見えて、これが案外「食えない」刑事ドラマなのである。嬉しい誤算と言いたい。 まず何よりも、人数の問題がある。といっても、「7人は多すぎる」とかそういう話ではない。そもそもこのドラマ…
『トリック』風味ではありながら『トリック』クオリティではなかった初回からの挽回を期待したが、この2話目も蓋を開けてみれば1話目と同じような展開で、むしろ早くも物語設定と特殊能力の限界が露呈してしまった印象。 主人公たちの道のりが「温泉巡り」と…
「神の舌を持つ男」と言われて真っ先に思い浮かぶのは、やはりイジリー岡田と『ジョジョ』の花京院。そこに主演・向井理と聞いて、「その二人に比べると“レロレロ感”が弱いな」と勝手に思ったのは事実だが単なる難癖とも言う。 ――など言いつつ、その二人を擁…
2016年夏ドラマのラインナップが出揃った。 例によって、プライムタイムはタイトルを見ただけで「恋」と「仕事」に二分できるのが最近の傾向。一方で深夜帯は「お金」がらみの作品が妙に多い。世相を反映しているのか、世相を先取りしているのか。そしてテレ…
面白さにもいろいろな面白さがあって、緊張感のある面白さもあれば癒やし系の面白さもある。もちろん他にも面白さの種類はいくらでもあるはずだが、大きくその二種類に分けるとするならば、前者は恋愛に、後者は結婚に喩えることができるのかもしれない。京…
これまで女性誌が女性目線から女性に向けて伝授してきた数々の婚活ノウハウを、徹底した男性目線から鮮やかに覆してみせるという、目からウロコな「角度」を持った力作。 アラフォー女性の恋愛模様を情け容赦なく描きつつも、すべてを徹底してエンターテイン…
おととし11月と昨年8月に特番として放送された、マキタスポーツ×レキシ×やついいちろうによるラジオ番組『音楽ガハハ』。この4月から月イチでレギュラー化されることになり、本日4月27日、23時より初回が放送されます。 放送は毎月最終水曜23時~24時の1時間…
◆『ラヴソング』(フジテレビ 月曜21:00~21:54)「福山雅治×白衣」という成功パターンを踏襲。これを「期待に応えた」と取るか「またか」と思うか。「吃音」という重めのテーマと正面から向きあおうという制作者の気概を感じる。だがそうなれば当然、同レ…
共感を前提とした「あるある」から、常識という名の大気圏をいつの間にか突き抜けて、「ないない」という未知なる宇宙空間へと飛び出してゆく。金髪短パンピンク男ZAZYの笑いには、どうやらそんな「突破力」がある。 元日の『ぐるナイおもしろ荘』出演と、そ…
本日、2016年春からの『オールナイトニッポン0』新ラインナップが発表された。月~金のパーソナリティの中で、お笑い芸人枠は木曜と金曜。木曜がニューヨークで、金曜は火曜から異動してきた三四郎が担当する。 昨年からはじまった三四郎はコンスタントに面…
歴史モノに限らず、物語というものは必ずある角度をもって描かれる。ひとつの作品を楽しむには、脇目も振らずその作品にのみ没頭するという方法もあるが、視野狭窄はいかなる場合にも脆さにつながる。できることならその作品とは別角度からの視点も仕入れた…
何かを見て「人生を感じる」ということが時にある。芸術でもエンターテインメントでも一本の木でもいい。何かを見てそこに人生を感じたのなら、そこには何かしらの「圧倒的なリアリティ」があるということだ。「リアリティ」とは、それが「現実そのままに見…
『真田丸』序盤の主役は、早くも毎度その「表裏比興」っぷりを炸裂させている真田「昌幸」だが、もうひとり注目すべきは、物語全体における主役「幸村=信繁」はさておき、やはり真田昌幸・信繁父子にとって生涯のライバルとなる徳川家康だろう。 徳川家康と…
やはりこのドラマは、いまのところ真田幸村=信繁のドラマではなく、その父・真田昌幸のドラマである。そしてその重心の置きどころは、真田家の魅力を炙りだしてゆく上で非常に理想的であると感じている。2話目までの時点ですでに、「昌幸あっての信繁」とい…
期待が大きいと、そのぶん裏切られたときのダメージも大きいのが世の常だが、「題材」「脚本」「主演」の3本柱がいずれも話題を呼び、ここまで期待感を煽る大河ドラマは近年なかったのではないか。開始時点ですでにハードルは上がりきっていたと言える。 事…