『日刊サイゾー』ラジオ批評連載コラム「逆にラジオ」第4回更新~『オールナイトニッポン お笑いオールスターウィーク』~
『日刊サイゾー』のラジオ批評連載コラム第4回では、ニッポン放送で先週一週間にわたり特別編成された『オールナイトニッポン お笑いオールスターウィーク』を取り上げています。
深夜ラジオファンの中に、最近の『オールナイトニッポン』が迷走していると感じる向きは多いと思います。あらぬターゲットを求めて右往左往しているというか、ラジオ番組そのものでリスナーを捕まえようというよりは、一定のファン層をすでに抱えている人に頼んでラジオを助けてもらおうという動きに見えます。
面白さとファンの多さというのは、どのジャンルでも比例関係にはないのが常ですが、ラジオまでもが完全に後者に走ってしまったら、そもそもテレビに比べて数字の低いラジオの存在意義はいったい何なのかと。ただ面白いだけの番組ではスポンサーが取りづらいという現状はもちろんわかりますが、本当に数字が欲しいのならばラジオごとバッサリ辞めて他の業種に会社ごと鞍替えしたほうが健全だということになりはしないか、という極論が、数字だけを取りにいく構造の番組を聴くといつも思い浮かんでしまいます。
そんな中、老舗であるところの『オールナイトニッポン』が、単なる実験なのかこの先を見据えた育成なのかはわかりませんが、面白さを最優先に、お笑い芸人で一週間を埋め尽くすという試みをしてくれたのは非常に心強いというか、まだ心は死んでいないと感じさせてくれる出来事でした。
ただしもちろん、「芸人がやればラジオは必ず面白くなる」というほど単純なものでもないのがラジオの面白さでもあります。そこらへんのところを、印象に残った芸人を取り上げて比較対照しつつ、この一週間の試みの中でどのような収穫があったのかということを書いたつもりです。やはりニッポン放送が元気じゃないと、ラジオは盛り上がらないなぁということを改めて思いつつ。