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『JUNK 伊集院光深夜の馬鹿力』2012/6/11放送回~長き逡巡の末の一瞬の和解劇~

伊集院光アンタッチャブル柴田が和解した。というか、「和解する必要もなかったことがようやく判明した」と言ったほうが正しい。実はそういう曖昧な関係にこそ明確な和解が必要なのだ。それがたとえ、単なる儀式のようなものに過ぎなくても。

そもそも二人の関係に疑問が生じたのは、今年4月にTBSラジオで柴田の帯番組『LINDA!~今夜はあなたをねらい撃ち!~』(月~金0:00~1:00)が始まったことによる。この番組は伊集院が担当している月曜JUNK『深夜の馬鹿力』(月曜1:00~3:00)の直前の生放送であり、同じく生放送の伊集院とは、互いの番組内で間違いなく何らかの絡みがあると思われた。

もちろん、後輩であり迷惑をかけたほうの柴田は、自らの番組内で普通に伊集院のことに触れていたが、一方で伊集院は『深夜の馬鹿力』で、「柴田が番組前に楽屋に挨拶に来た。彼のいいところは、とにかく明るいところ。『プライベートでも以前のように仲良くしてください』と言われたけど、それはちょっと…」というような(うろ覚えなので、一言一句正確ではない)、微妙な発言をしていた。

さらには、柴田の番組『LINDA!』が前回のスペシャルウィークに、「5日間連続でTBSラジオで柴田に関係の深いパーソナリティーを呼ぶ」という企画を行ったのだが、そこになぜか関係の最も濃いはずの伊集院が呼ばれないという事態も、リスナーの邪推を誘った。

火曜JUNKの爆笑問題は録音なので仕方ないとしても、水~金曜のJUNKを担当する山里亮太おぎやはぎバナナマンは順番に呼ばれており、しかし月曜は前番組の月曜『Dig』を担当する竹山が呼ばれるという、明らかに作為的に伊集院を避けている(というより、伊集院に避けられている)としか思えない人選に疑問が湧いた。

と、そんな経緯があったのだが、このたび『深夜の馬鹿力』の生放送中、ブースに見学に来ていた(通りかかった?)柴田を、伊集院が気さくに招き入れるという形で、久々の共演が実現した。その会話の内容がド下ネタであったことが、二人の間に温かい空気を一瞬にして生み出していたのが不思議だが、男同士というのは元来そういうものだ。

伊集院の説明によると、伊集院本人が柴田を避けていたわけではなく、むしろスタッフの間に、「伊集院さんはまだ柴田のことを許していないのではないか?」という気遣いが見られたという。それはおそらく、先に紹介した伊集院の発言(「プライベートで仲良くはしたくない」的な)のせいだと思うが、当の伊集院はそれを冗談ぽく言ったと記憶している(あれは明らかに冗談のトーンではなかったのだが)ようで、「別に許さないも何も、もともとそういう奴だから」と思っていたらしい。

逆に柴田のほうはといえば、同じく伊集院と仲の良い芸人の桐畑トールに「伊集院さん怒ってるぞ」とふざけ半分ですり込まれ、なんとなくちゃんと謝りにいけなくなった、ということらしい。先ほど触れたように、柴田は一度は伊集院の楽屋に挨拶に来ているはずなのだが、そのときは挨拶だけで謝るまではいかなかったのだろうか。

そのへんはちょっとよくわからないが、まあどうでもいいといえばどうでもいい。重要なのは伊集院と柴田が良好な関係に戻ったという事実で、それ以上に重要なのは、この日の伊集院のトークが、柴田の影響なのかどうか、近ごろないくらいに生き生きとしていたということだ。

こうなると柴田に残された唯一の問題は、復帰以降、相方との共演がいまだ実現していないということの説明だろう。これに関しては、きっちり説明しないと、むしろザキヤマの印象が悪い。

しかしタイミングをすでに逃しているような気もするので、こちらのほうが事態ははるかに深刻かもしれない。本当に怒っているのか、事務所によるリスク回避なのか。この日の伊集院のように、下ネタ一発で再び意気投合できる日が来るといい。

【『JUNK 伊集院光深夜の馬鹿力』HP】

http://www.tbs.co.jp/radio/format/ijuin.html