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『日曜ゴールデンで何やってんだテレビ』2012/10/28放送回~毒にも薬にもならない笑いの医薬部外品~

主役が楽をする番組は、やはり面白くなりようがない。それにしても、2回目にしてここまで熱量のない番組になるとは。

先週書いたことが、まさに悪いほうに当たってしまった。若手芸人(キングオブコメディ、、劇団ひとり東京03)にネタをやらせて、主役のはずのたけしと石橋は、ただそれを傍観するのみ。若手のコントに二人が乱入するような絡みも一切なく、観たあとはただなんとなく褒めるだけで、先達らしい視点からの批評など端からする気がないし、そこから話題を特に広げることもない。初回にやや接近したかに見えたたけしと石橋の距離も、むしろ遠ざかったように感じられた。二人のこれ以上の絡みは、この先もないと諦めたほうがいいかもしれない。

大物二人がタッグを組んで番組をやる以上、二人には、番組の主役級の働きは毎回確実にしてもらわなければ意味がない。本人たちがそこまで本腰を入れるつもりがないのか、スタッフがおじけづいて何も要求できないのか、おそらく両方なのだと思うが、今回に関していえば二人は完全にその他中堅芸人と交換可能な存在だった。

そして番組後半には、コント後のやりとりが思いのほか盛り上がらず撮れ高が足りなかったのか、石橋がたけしの出演する『情報7days ニュースキャスター』に飛び入りした際のメイキング映像で穴埋めという苦肉の策。これもCDの特典映像ぐらいの内容で、特に何が起きていたというわけでもない。

とにかくこの番組に関しては皆、大物二人がどうガッツリ絡むかが観たいのであって、そういうシーンを生み出せないような企画はやる必要がない。そういう意味では、石橋が若手のコントを観て、「俺らもやらなきゃ駄目でしょう!」と意気込みをみせていたのだけがこの番組の希望だ。たけしは明らかに「火薬田ドン」以外やる気なさそうだったけど。