テレビに耳ありラジオに目あり

テレビ/ラジオを自由気ままに楽しむためのレビュー・感想おもちゃ箱、あるいは思考遊戯場

     〈当ブログは一部アフィリエイト広告を利用しています〉

寝耳に日刊ラジオレビュー 2021年10月23日(土)号~およげ!きんに君~

土曜ラジオ

【聴いた番組】

三四郎オールナイトニッポン0』(ニッポン放送

中川家 ザ・ラジオショー』(ニッポン放送

さらば青春の光がTaダ、Baカ、Saワギ』(TBSラジオ

『シソンヌの“ばばあの罠”』(RKBラジオ

三四郎ANN0』は、有吉弘行宮川大輔もその面白さに太鼓判を押している、恒例のなかやまきんに君を迎えての「珍味回」。

その面白さの真髄は、とにかく噛みあわない会話に尽きる。何を質問してもまともに答えず、答えたと思ったら遥か前の質問に答えているという、終始脱臼し続けるスリリングなトーク展開。

果たしてこれをトークと言っていいのかどうか。単なるスリルではないのか。だがスリル以外に何が必要なのか。面白ければなんでもいいじゃないか。

そんな具合に、事前の期待どおり「成立しない会話」がやはり繰り返されることになるわけだが、今回はそれだけでなく、ホスト側である三四郎の腕前も際立っていたように思う。

きんに君の妄言を適度に泳がせ、出しきらせたところで冷静に次の質問へとギアを切り替える小宮の呼吸。その絶妙な「間」に笑いどころを見出して、その凄さをリスナーに伝えて共有する相田の着眼点と解説力。

きんに君という稀代の珍味を骨までしゃぶりつくす三四郎のグルメリポーター力が、その旨味を最大限引き出しているという意外と理想的な構図が、今回改めて明らかになったように思う。

それにしても存外メニューの少ないきんに君の料理(同じものばかり何度も出てくる)を、今回もよくぞ二時間もの長きに渡って味わい、リスナーに向けてリポートし続けたものだ。

それはまるで噛みきれない肉をずっとかみ続けていたようなもので、しかしそこからずっと旨味は出続けていたのだから、やはりまたしても珍味好きにとっては大満足の回だったというほかない。