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寝耳に日刊ラジオレビュー 2021年10月22日(金)号~純文学と純小西~

金曜ラジオ

【聴いた番組】

マヂカルラブリーオールナイトニッポン0』(ニッポン放送) ゲスト:ピース又吉直樹

『問わず語りの神田伯山』(TBSラジオ

クリープハイプ 尾崎世界観 声にしがみついて』(JFN系列)

アンガールズのジャンピン』(ニッポン放送 Podcast Station)

『マヂラブANN0』のスペシャルウィークは、ゲストにピース又吉を迎えての純文学談義。

野田が占い師に「10年後に芥川賞を獲る」と言われたことをきっかけに、とりあえず先輩の芥川賞作家を呼んで話を訊いてみようという程度のスタート地点から、気づけば純文学というジャンルの本質へと踏み込んでしまっているのがとても面白かった。

純文学に関する簡単な質問から、やがて野田が文学以外の「純」を持ち出してふざけはじめると、「純○○」となんにでも「純」をつけていくカオスな展開に。特に自分のファッションについて訊かれた又吉が、平然と「純小西」と答えたのは最高だった。

何が「純」で何が「純」でないか。それは実のところ純文学にとっての永遠のテーマでもあって、明確な答えを出した人は誰もいない。しかしそうしてわからないことを追求するスタンスこそが「純」なのではないかと、終始中心のないままに空転し続ける彼らの「純会話」を聴いていて、改めてそう思った。これぞ「純お笑い」。

純文学に関するマヂラブ二人からの素朴な質問に、「~でもいいし、○○でもいい」「それもありやなぁ」と、答えるでもなくなんでもすべて受け容れてしまう又吉の回答姿勢こそが、まさに純文学の懐の深さを体現しているようにも思えて。

純文学というジャンルの器の大きさが、もっと広く知られてほしいと思った。イメージ上の堅さではなく、限界のないその自由な面白さを。