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寝耳に日刊ラジオレビュー 2021年10月21日(木)号~ハナコの逆ベクトルと『有吉の壁』という発明~

木曜ラジオ

【聴いた番組】

『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』(ニッポン放送

『24時のハコ』(TBSラジオ) ザ・マミィ

テレフォン人生相談』(ニッポン放送

『ぺこぱのオールナイトニッポンX』(ニッポン放送

コウテイの銀蛾・流電音(ギガ・ルデオ)』(MBSラジオ

『佐久間宣行ANN0』のスペシャルウィークのゲストにハナコが登場。

ハナコの、大スベりした悔しい体験こそが3人の結束を強め、ブレイクへのきっかけになったという話の美しさ。

かと思いきや、佐久間さんのせいでお笑い番組が増えすぎているから、もっと減らして楽な仕事をさせてくれと懇願する菊田の自由奔放っぷりが、見事にベクトルを引き戻す。

このトリオにはどちらの要素も必要だったのだな、と強く思わされる絶妙なバランス感覚。

そして話題がいまのお笑い界全体に及べば、『有吉の壁』という番組が、コント師がバラエティーでそのまま得意技を使えるフォーマットを発明した、という佐久間プロデューサーの指摘に膝を打つ。

たしかにこの番組がはじまるまでは、独自の世界観やフォーマットで笑いを取るコント師よりも、地のキャラクターという裸一貫で笑いを取れる漫才師のほうが、テレビの笑いに適しているという見方が顕著だった。

テレビはテレビで、いわゆるコント番組以外の形式で、コント師の才能を生かす方法をなかなか探り当てられずにいたような気がする。

それに対し、『有吉の壁』というのは個人商店を集めたある種の大型ショッピングモールのような番組で、『有吉の壁』という番組の中に、各芸人の個人商店が配置されているような、いわばテナント形式になっている。

しかしこの形式について改めて考えてみると、その原型にはやはり『ガキの使い』の年末特番である「笑ってはいけない」シリーズという存在があるように思う。

何かしらの大型施設を歩き巡りながら、その場その場のシチュエーションを生かしたミニコントに出会っていくというスタイル。本来固定した設定を必要とするコントに、それを観て回る側の動きを加えることで、画的に臨場感を出して視聴者を退屈させないようにする工夫。

その「笑ってはいけない」の終了が先日発表されたことには驚いたが、あるいはその遺伝子を受け継いだ『有吉の壁』が台頭してきたということも、その決定に少なからず作用しているのかもしれない。それはきっと、今後のテレビ界お笑い界にとって良い傾向なのだと思う。