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寝耳に日刊ラジオレビュー 2021年9月26日(日)号~有吉ウォーカー道~

日曜ラジオ

【聴いた番組】

有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(JFN系列)

さらば青春の光がTaダ、Baカ、Saワギ』(TBSラジオクラウド

『和牛のモーモーラジオ』(文化放送

『サンドリ』では、先週に引き続き「ウォーカー」有吉のウォーキングあるあるが興味深い。

たしか有吉が本格的な「ウォーカー」になったのは、『ドラゴンクエストウォーク』がきっかけだったように記憶している。そもそもヒッチハイクで世に出た人だから、それ以前から歩くことは好きだったようだが(とはいえあれは、むしろ嫌いになるきっかけになりそうなくらいだけど)、ラジオで頻繁に歩くことについて話すようになったのは、それ以降のことだ。

そこにやがてコロナ禍が重なって、運動不足解消や密を避けるという意味でもウォーキングの比重が高まり、もはや周囲が引くレベルにまで到達している模様。

ウォーキングといえば、以前吉川晃司がラジオで、自宅からスタジオまで歩いて往復すると語っていたことがあるが、彼の場合は腰痛の緩和がそのきっかけだった。

そのときの話で印象的だったのは、吉川が医者に身体を診てもらった際に、「あなたは足首が柔らかすぎて、地上での生活に向いていない」と言われたという話。

いったい何を言っているのかと思いきや、それは医者曰く、吉川が学生時代にずっと水球をやっていたせいで、足首が足ひれのようにフニャフニャに柔らかくなっていて、すでにあなたは水中での生活に適応してしまっているのだと。

あんなに身体が大きくて丈夫そうな人にも、そんな思いがけぬ弱点があったのかと驚いた憶えがあるが、人間の身体というのは、どうやらそういうものらしい。

かつては身体は柔らかいほど柔らかければ良いと言われてきたが、いまはそれもどうやら違うようで、たとえば欧州のサッカー選手なんかでも、昨今は試合前にストレッチをあまりやるのは良くないとされている。運動前にいったん筋肉を限界まで伸ばしきってしまうと、むしろ伸びきった箇所は切れやすくなり、怪我が増えるということらしい。

と、すっかり話が変わってしまったが、有吉の話だった。彼は歩いていると、これまで認識していなかった地名やそのエリアの特徴を知ったり、様々な風景が、たとえばタワーマンションに点いている灯りのうち、どれくらいの割合が黄色っぽい光で、どれくらいの家庭が白っぽい光の電球を使っているのかということに、気づいたりするという。

そういえば僕は、いまだ電球が切れるたびに、どの色の電球を買うべきかでいちいち迷い、その結果、いつもの電球とは違うほうの色を買ってしまったりして、そのエリアだけ真っ白な光になってしまう、なんてことになってしまう。「昼白色」と「昼光色」という名称の紛らわしさのせいで。

つまり何が言いたいのかというと、歩く速度でないと見えない景色というものが間違いなくあるということで、しかし有吉の歩く速度は、同じく「ウォーカー」であるマシンガンズ西堀からしても相当速いらしいから、そうなると逆に速すぎて見えなくなってくるものも、今度は出てくるのかもしれなくて。これは人生についても、何かしらを暗示しているような、していないような。