【聴いた番組】
『山崎怜奈の誰かに話したかったこと。』(TOKYO FM) ゲスト:オードリー若林正恭
『ハイパーハードボイルドグルメリポート no vision spin off』 半グレ鍋〈前編〉〈後編〉(Spotifyポッドキャスト)
『アインシュタイン・山崎紘菜 Heat & Heart!』(文化放送)
『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(JFN系列)
『さらば青春の光がTaダ、Baカ、Saワギ』(TBSラジオクラウド)
リトルトゥースがパーソナリティーを務める『山崎怜奈の誰かに話したかったこと。』に、オードリー若林が登場。20分という短い尺の中で、パーソナリティー同士の濃密なトークが繰り広げられた。もっと長いこと聴いていたかった。
まず興味深いのが、『オードリーANN』では毎週四本のフリートークを、作家の藤井青銅さん相手に何もないところからなんとか絞り出しているというプロセスの話。
若林はこの番組について語られるとき、必ず律儀に青銅さんの名前を出す。やはりラジオパーソナリティーとしての自分を見出してくれた人という恩義も感じているのだろうし、いまもその目利きを信頼し続けているということなのだろう。
こういうところを包み隠さず話すスタンスが、彼自身のトークの信頼性にもつながっているように思う。
プロセスを語るそのスタンスは、「自分にコンプレックスがあるから、この人はどうやって組み立てられているのかなという『人の年表』を聴きたがる」という聴き手としての姿勢から来ているのかもしれない。
ちょうど昨日の日記でも書いたところだが、たしかに若林のトークは頻繁に時を超えて過去へ溯る。
かといってそれは後ろ向きな振り返りではなく、いまの自分へと通じるヒントを探しにいくプロセスであり、戻った先から確実に何かを持って現在へと返ってくる。そしてその先に未来が、というと大袈裟すぎるが、先への見通しが初めて開けてくる。
出来事を単なる「点」ではなく、常に時間の経過を考慮に入れた「線」で語ることができるのが、彼の文体つまり思考回路の面白さなのだと改めて思う。さらにいえばそのフィールドを社会にまで押し広げて「面」で語る凄さもあると思うのだが、その話はまた別の機会に考えてみたい。