テレビに耳ありラジオに目あり

テレビ/ラジオを自由気ままに楽しむためのレビュー・感想おもちゃ箱、あるいは思考遊戯場

     〈当ブログは一部アフィリエイト広告を利用しています〉

寝耳に日刊ラジオレビュー 2021年9月27日(月)号~ちゅうえいの怪談とケンコバのド正論~

月曜ラジオ

【聴いた番組】

キョートリアル! コンニチ的チュートリアル』(KBS京都ラジオ)

TENGA presents Midnight World Cafe ~TENGA茶屋~』(FM大阪

エレ片のケツビ!』(TBSラジオ

空気階段の踊り場』(TBSラジオ

キョートリアル』で徳井が語っていた流れ星ちゅうえいの怪談が、不思議かつリアルで面白かった。徳井は以下の動画を観て気になったらしい。この話を聴くと、下北沢に行きたくなるような、ならないような。たしかに、様々な「念」が蠢く街というイメージはある。

TENGA茶屋』では、この時期の漫才劇場に蔓延るある風潮に、ケンコバが物申す。

それは若手芸人らが、予選が開始されるタイミングで『M-1』対策にばかり躍起になるという現象で、それ自体は仕方のないことでもあるのだが、やはりみんな一斉にピリつきはじめるらしい。

そしてこの時期には、漫才を「試す」とか「仕上げる」といった言葉が各所で飛び交い、考えてみればそれは金を払って来てくれている客に対して失礼なのではないかというド正論。その言いかたでいくと『M-1』が「本番」で、劇場はそのための「練習」ということになってしまうが、劇場も間違いなく「本番」だろうと。

普段から劇場に通い詰めている客や、その漫才師の熱心なファンからしてみれば、レアなデモテイクが聴けてむしろ価値を感じたりすることもあるかもしれない。だが初見の客や、その日をずっと楽しみにしてきた客にとっては、模索中のネタではなく、ベストに仕上がったネタを見せてほしいと思うのが自然ではあるだろう。

だがいっぽうではまた、劇場で頻繁に「治験」ができるからこそ、吉本は『M-1』に強いとも言われているのも事実で、『M-1』偏重の風潮がある以上は、なるべくしてそうなっているとも言える。ならばいっそ、堂々と『M-1治験ライブ』と銘打ってやったほうがいいのかもしれない。

それにしても芸人でありながら、お笑いファンとしての目線をまったく失っていないあたりに、ケンコバの慧眼を改めて思い知る。

エレ片』では、自身の宣伝をする片桐仁の些細な「かっこつけ」を見逃さず、徹底的に詰め寄るエレキの二人に痺れる。やはりこの二対一の構図には、特別なケミストリーがある。

『踊り場』では前回に引き続き、なぜかクイズブームが到来。しかしこれが番組内では盛り上がっているように聞こえるものの、どうもありがちな企画であるように思えて、個人的にはいまいち乗り切れない。二人とも、特にボケるわけでも天然というわけでもなく、クイズが得意なわけでも苦手なわけでもなさそうなので、楽しみどころが特に見当たらないというか。

クイズ企画というのは、正解/不正解という結果が即座にはっきり出るため、形式的に盛り上がっているように聞こえやすいが、実は雰囲気だけに終わりがちな罠のような企画でもある。この番組の面白さはほかにいくらでもあるので、あえてここにはこだわり続けないでほしいのだが……。