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寝耳に日刊ラジオレビュー 2021年10月10日(日)号~変化する評価軸~

日曜ラジオ

【聴いた番組】

阿川佐和子&ふかわりょう 日曜のほとり』(文化放送

『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送

北方謙三 原作 ネオラジオドラマ 三国志』(文化放送

宮下草薙の15分』(文化放送

有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(JFN系列)

さらば青春の光がTaダ、Baカ、Saワギ』(TBSラジオクラウド

キョートリアル! コンニチ的チュートリアル』(KBS京都ラジオ)

『日曜のほとり』でふかわりょうがしていた「ししおどし」の話に、目から鱗

漢字で書くとあれは「鹿威し」と表記され、文字どおり本来は田畑を荒らす鳥獣を遠ざけるための音を鳴らす装置であるようで、あれがいつのまにか風流な音の代表みたいになっているのには、たしかにかなり劇的な発想の転換があったということなのもしれない。

何事も作り手の思いどおりにはいかず、時にはまったく別の軸で評価されることもある。思えばふかわりょうという芸人の評価も、その時々によって大きく変化を見せながらここまで来ていて、だからこそ彼はこういうところに面白味を感じたのではないか、という気もする。

すでにあるものを別の角度から捉え直すことで、新たな良さを見出すという自由。そこに共感する彼の価値観は、DJという彼の一側面にも通じるものがあるように思える。文学理論で言うところの「異化効果」のようなものが。

ほかにも、「地方によってBPMが異なる(その地域に住む人特有のリズム感やスピード感がある)」など興味深い話が多く、かといってそれは単なる雑学披露というわけではなく、あくまでもふかわ個人の繊細な感覚に基づいて語られているから面白い。

そういう個人の感覚を出発点とする、人によってはピンと来ないかもしれない話も、ふんふんと飲み込んだり素直に疑問符を浮かべたりしながら受け容れる阿川佐和子の包容力も流石で、彼女の相槌がふかわの妙味を引き出しているとも言える。