寝耳に日刊ラジオレビュー 2021年9月18日(土)号~宮下の妄想構築力~
【聴いた番組】
『シソンヌの“ばばあの罠”』(RKBラジオ)
『EXITのオールナイトニッポンX』(ニッポン放送)
『さらば青春の光がTaダ、Baカ、Saワギ』(TBSラジオ)
基本的にはどこにでもありそうなヨドバシカメラの店員との会話で、店員のミスから事態が思いがけずこじれてゆく。さらにはここに家電量販店ならではのシステムとして、店員がインカム越しになんらかの(本社の?)センターと交渉をしているという要素も加味されて、さらに面倒なことに。
だが今回のエピソードでは、実のところ客である宮下の耳には、店員とインカム越しに交わされている向こう側の会話はほとんど聞こえていない。そこに生じている大きな空白を、ほぼすべて自身の妄想で埋めて話をすっかり成立させてしまっているのが凄い。
何を言っているんだかわからない相手との駆け引きは、向こうの考えていることがわからないからこそ面白く、おそらく話は現実で起こっていたこと以上に面白くなっていると確信させる。
宮下草薙は、草薙の妄想力が肝であると思われがちだが、実は宮下のほうも常に二手三手先を妄想しているタイプの策士。彼の妄想力とそれを構築するトーク力は、この先もっと評価されていくことになると思う。