寝耳に日刊ラジオレビュー 2021年9月16日(木)号~ふたりのお笑い名伯楽とぺこぱの自由~
【聴いた番組】
『アッパレやってまーす!(水曜日)』(MBSラジオ)
『ぺこぱのオールナイトニッポンX』(ニッポン放送)
『マヂカルラブリーのオールナイトニッポン0』(ニッポン放送)
『アッパレ水曜日』に、「お笑いマナーうるさ人間」ことTKO木本が乱入。
いや「乱入」といっても実質は呼び込まれたようなものだが、つい先日『アルピーDCG』に木本がゲストで呼ばれたこともあって、いよいよこの番組発で渦が大きくなってきたような気配。
それにしても、この番組でケンコバとアンガールズ田中が語る芸人評がいちいち的確で、そのまま各芸人の取扱説明書にもなっている。
ケンコバにはRGをはじめ、これまで様々な芸人に方向性を見出してアドバイスを送り、ブレイクのきっかけを与えてきた名伯楽としての側面がある。この番組で交わされるトークを聴いていると、田中もまた似たような資質を持っているように思える。
そんな熱い芸人愛を感じさせる番組でありながら、冒頭に「金玉」を持ってくるところに、やはりどうしようもなくケンコバらしさがあって。
『ぺこぱANNX』では、シュウペイが無類の「あらびきポークフランク」好きという話から、まんま「あらびきポークフランク」という名の自由すぎる新コーナーが立ち上がる。
挙げられたネタ例文もすでに方向性が多岐にわたっており、まさに松陰寺も言っていたとおり「投稿職人の腕が試される」コーナーだが、だからこそリスナーがどう反応するのかが楽しみになってくる。
ラジオのコーナーというのは、テレビと違ってある種「生き物」のようなところがあって、企画意図とはまったく異なる方向にリスナーが成長させていくケースも少なくない。
千葉ロッテマリーンズにしろKinKi KidsにしろGREEN MANにしろ、ただ純粋に「好き」というだけのモチベーションを企画につなげてしまう豪腕っぷりに、この番組の面白さがある。
そしてそんな思い切った選択を取れるのは、彼らがリスナーを強く信頼している証しでもあるように思う。