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寝耳に日刊ラジオレビュー 2021年10月8日(金)号~若武者の電撃復活と遅れてきた実力者~

金曜ラジオ

【聴いた番組】

コウテイの銀蛾・流電音(ギガ・ルデオ)』(MBSラジオ

アンガールズのジャンピン』(ニッポン放送 Podcast Station)

『問わず語りの神田伯山』(TBSラジオ

マヂカルラブリーオールナイトニッポン0』(ニッポン放送

ナイターシーズン中は月イチあるいは放置プレイに格下げされていた『コウテイの銀蛾・流電音』が、いよいよ週一レギュラーに復活。独自の番組ファンクラブを立ち上げて人を集め、その数字をもとに上層部の説得に走ったことにより復活が実現したという。

誰もが数字に厳しくなっているこの時代には、そういったエビデンスが各所で求められるようになっていくのかもしれない。

それはファンを集めれば番組が実現するという意味では民主主義的な手法に思えるが、ではその最初のファンをどこで集めればいいのかとなると、そもそもその場所がないというのが悩ましい。

たとえばこの番組のように、すでに番組があってそのファンがいる状態から、復活の手段として数字が使われるのはかなり有効かもしれない。

だがいっぽうで数字ばかりに根拠を求める文化になると、数字が集まらない番組はそもそも立ち上がらなくなってしまい、そうなるとラジオ発のブレイクというのが生まれなくなる危険性がある。すでにほかで数字を集めた実績がある人の番組しか、はじまらなくなってしまうからだ。

世間の流行やリスナーにおもねるのではなく、リスナーを未知の世界へと引っ張ってゆく番組。そういう先駆者的な役割がラジオにはあると個人的には思っていて、この番組にもそういうわけのわからない牽引力があると思っている。

だからこの番組の週一レギュラー復活は素直に嬉しいのだが、だからこそ数字など頼るまでもなく、断固として継続、もっと言えば拡大の判断を、上が勇気を持って下すべきであると思う。

パーソナリティーの潜在能力を見抜き、先見の明をもって抜擢する。そんな当たり前の文化が、リスクを取れない不景気の前にしぼんでゆくのを見せつけられるケースが、明らかに増えている。

こういうわけのわからない面白さを持った番組が着実に実績を挙げていくことで、そういった「抜擢文化」が盛り返してくれることを強く望む。流行を追うだけのメディアが早晩先細りになることは、すでに各所で証明されてしまっているのだから。

オールナイトニッポンPODCASTでは、満を持してアンガールズの新番組がスタート。MBSの『アッパレ』水曜日におけるケンドーコバヤシとのトークでもすでにその実力は発揮されているが、これが二人だけになるとどういう世界観が作られていくことになるのかという楽しみ。

基本的には田中が山根を説教し、それに山根が反論するというスタイルに見えるが、山根がラジオの超ヘビーリスナーであるというラジオでのみ有効な要素が、そこにどう作用していくことになるのか。

ラジオの場合は、ラジオに対して思い入れの強いほうが舵を取ると上手くいく場合も多いので、この番組への山根の腰の入り具合にも注目していきたい。