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寝耳に日刊ラジオレビュー 2021年9月13日(月)号~『日曜天国』のテーマメール最強説~

月曜ラジオ

【聴いた番組】

安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ

『TOKYO M.A.A.D SPIN』(J-WAVE) ゲスト:近田春夫小泉今日子

『ダイアンのよなよな…』(ABCラジオ

土田晃之 日曜のへそ』(ニッポン放送) ゲスト:バカリズム野呂佳代

キョートリアル! コンニチ的チュートリアル』(KBS京都ラジオ)

『日曜天国』は、冒頭の醤油の話も惹きつけるものがあったが、今回は特に安住アナが「当たりテーマ」と言っていたとおり、リスナーから寄せられた「恥ずかしい話」にまつわるメッセージがとにかく面白くてしょうがない。特に勘違い系の話はホームランの連続で。

服屋で店員の来ているハートマークの服がお洒落なのであれを欲しいと言ったら、それは「柄」ではなく、ちょうどハート型っぽくなった「汗染み」だったという話。救命講習の練習台の人形が、自分と同じ激安ジャージを着せられていたという奇跡。「好々爺」という文字を「好き好きジジイ」と読んで「好き者」という言葉を連想し、なんていやらしい形容詞を使うんだと勝手に憤慨する話。

などなど、どれも本当にはずれがなく、しかもけっしてありがちでもないという絶妙なラインを突いてくる。改めてこの番組のリスナーの、投稿レベルの高さには驚かされる。芸人ラジオよりもなによりも、ことテーマメールに関しては、ここが一番レベルが高いかもしれない。

また、ゲストに来た歴史学者磯田道史先生の話も相変わらず興味深く、中でも「現状が変化すると、古文書の読みかたも変わる」という話が面白かった。

《かつて偉い人の前に、わざわざ御簾を垂らして頭を下げたまま喋らせたのは、ひょっとするとあの時代なりの感染症対策だったのではないか?》

たしかにそんな読みかたは、こんなコロナ禍の時代でなかったらできなかったかもしれない。

『TOKYO M.A.A.D SPIN』には、先週に引き続いて近田春夫小泉今日子がゲストに。

こちらもまた時代を比較するように、かつての音楽業界の方法といまの方法の違いが語られる。

誰かがふと提案した面白いアイデアを「とりあえずそれやってみよう!」と試すよりも、効率を優先するあまり、想定外の手順を嫌って遊び心のあるアイデアに対し狭量になりがちであるという「現代クリエイターのサラリーマン化問題」。それは音楽業界に限らず、そこかしこで同時多発している問題であると思う。

だが昔は許されていた自由度の高いやりかたには、やはりブラック労働が許されていたという陰がつきまとっている部分もあって、クリエイティヴィティと健全な労働体制のあいだには、どうしてもトレードオフの関係が生まれてしまうのかもしれない、ということも同時に考える必要がある。