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寝耳に日刊ラジオレビュー 2021年9月7日(火)号~星と若の両想い~

火曜ラジオ

【聴いた番組】

星野源オールナイトニッポン』(ニッポン放送) ゲスト/オードリー若林正恭

空気階段の踊り場』(TBSラジオクラウド

アルコ&ピース D.C.GARAGE』(TBSラジオ

こういうのを化学反応と言うのだろう。いや本当に凄い放送だった。

星野源のANN』に、満を持してオードリー若林が登場。『あちこちオードリー』に星野源が来たこともあり、二人の相性の良さはなんとなく想定はしていたものの、これがいざラジオで対峙すると期待を遥かに凌駕するフィット感。

とてもこの二人らしいややぎこちない距離感から入りつつも、「実は嫌いな人は多い」話、「普通は普通じゃない」話、「最終的にはアメーバ状を目指している」話などなど、話は打ち解けるほどに互いの魅力を引き出しあうように展開しながら、表現活動のジャンルを超えた核心部分に向かって奥へ奥へと迫ってゆく。

途中で二人して観ていない映画のたとえ話を共有してしまうあたりでは、もう両想いにもほどがあるだろうとこちらが恥ずかしくなるほど。しかしだからといってその根底に見えるのがベッタリとした共感ではないところが、互いに対するリスペクトを感じさせ、一時的ではなく長いこと続く友人関係を予感させる。

感触としては若林とバカリズムの関係に近いようにも思うが、ジャンルが違うがゆえにより素直にわかりあえる部分もあるのかもしれない。

それにしてもラストの生演奏に入ってきた若林のラップは、以前から『オードリーANN』で披露されてはいたが本当に素晴らしくて、歌詞の内容はもちろんのこと、今回は改めてその地の声の良さに気づかされた。

いずれにしろこの日の放送は、これから何度も聴き直すことになるだろう。こういう放送に対しては「神回」という軽い言葉よりも、「名作」という称号のほうがふさわしいように思う。