寝耳に日刊ラジオレビュー 2021年9月1日(水)号~太田松本~
【聴いた番組】
『Creepy Nutsのオールナイトニッポン0』(ニッポン放送)
『向井と裏方』#31(AuDee) ゲスト:石井玄さん《後編》
4月からお試し感覚ではじめたこのコラムも、毎日懲りずに書き続けて気づけば5ヶ月ほど。
こうして書き続けてみると、なんとなく「日記」という感じでもないような気がしてきたので、ここらへんでしれっと改題することにしました。
内容的には変わらず、特に気負うつもりもないので、引き続きよろしくお願いいたします。
『爆笑問題カーボーイ』で、フジテレビ『ラフ&ミュージック』で実現した松本人志との共演に関して語る太田光。
「俺はすべて笑い飛ばしたい人間だから」という言葉に、彼の根本にあるスタンスというか、もっと言えばビートたけしから受け継いだ確かなイズムを感じる。
もちろんそのいっぽうには、「ではなぜこんなにも長い期間笑い飛ばせなかったのか?」という疑問も少なからず残る。
しかしそこにはいろんな人が言う通り、周囲の勝手な忖度だったり、同レベルの芸人をあまり共演させないという業界の事情や慣習だったりといった、本人らにはどうにもならない環境的要因(?)も多分に絡んでいるはずで、本人同士ではもはやほどけないほどまでに、すっかり事情がこんがらがってしまっていたのだというのも理解できる。
そういうことは芸人に限らずミュージシャンにも良くある話で、たとえばなかやまきんに君のBGMでお馴染み(笑)のBON JOVIも、中心人物のジョン・ボン・ジョヴィとギタリストのリッチー・サンボラが、数年ものあいだ不仲に陥り解散の危機に陥っていたことがあった。
その不仲の原因は直接の対話ではなく、お互いが休暇中に雑誌に掲載された相手のインタビュー記事を読むことで誤解が生じたという、至極間接的なものだった。
これもバンドがそこまで売れていなかったら、そんなことにはならなかっただろうな、と思う。
売れるということはつまり、周囲からあることないこと様々な情報を(良かれと思って?)吹き込む人間が増えるということでもあって、自然と当事者同士のコミュニケーションが取りづらくなるという状況でもある。
それから彼らは『KEEP THE FAITH』というアルバムでその題名のとおりに絆を取り戻して、バンドは再び黄金期を迎えるのだけれど、それからしばらくしてリッチーは結局バンドを脱退しているから、本当のところはわからないのだが。
この先には、二人が組んで漫才をやるとか、一緒にコント番組をやるとか、同じ話題について『サンジャポ』代表と『ワイドナショー』代表という形で討論するとか、いろいろな期待が膨らむけれど、そうなるともうスタンスとして前向きなんだか後ろ向きなんだかわからない。本人らは後者だと捉えてやりたがらないかもしれない。
だけど視聴者としては、やはり夢の共演を観てみたいと思うのは自然な話で。