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2022年4月期春ドラマの傾向と対策

自分が何を観るのかを探る指針にもなるので、久々にドラマ総ざらえ的なエントリを。といっても一部クオリティの怪しい深夜ドラマや、あまり興味の持てないものは挙げていない。

それにしたってある種の「傾向」は見えるかもしれないが、いったい何を「対策」するというのか。「対策」というよりは「事前の構え」というか「心の準備」というかなんというか。ただなんとなく「傾向」と言えば「対策」と続けたくなる受験脳。

ちなみに、ここで面白いと予想したものが全然つまらなかったり、つまらないと予想したものが案外面白かったりということもよくある。じゃあ役に立たないじゃないか、と言われればそのとおり。どうも預言者にはなれないらしい。

なので僕もそうしているが、どんな作品であれ、とりあえず一話目を観てから判断することをおすすめする。

――なんて書いているうちに大きな地震と停電に見舞われて。先の見えぬ停電から復旧した直後に、こうして続きを書いている。戦争やらコロナやらいろいろあるが、心置きなくドラマが楽しめる日常を願いつつ。


【月曜日】
◆『元彼の遺言状』(フジテレビ/月曜21時/綾瀬はるか主演/4月11日スタート)
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それにしても弁護士もの多いな、去年も『イチケイのカラス』やってたし、と思って振り返って見ると、あちらは裁判官でこちらは弁護士。ちなみにキムタクの『HERO』は検事。

とはいえメインとなる舞台は同じく裁判所や事務所であり、設定としては近似値に見える。だとしたら、『HERO』や『リーガル・ハイ』に勝てるかどうか。そういう勝負になってくる。見る側のハードルも自動的に上がる。

原作をつけてまでやるのなら、もう少し見慣れない設定のを引っ張ってきてほしい、というのが正直なところ。

見どころは共演の大泉洋だろうか。それはこの作品に限ったことではないけれど。

全体として、わりと保守的な印象。


◆『恋なんて、本気でやってどうするの?』(フジテレビ/月曜22時/広瀬アリス主演/4月18日スタート)
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男女6人恋物語、という設定。となるとオーソドックスなラブコメになりそうだが、気になるのは各キャラクターがそれぞれにいまどきの、恋愛に対して消極的なスタンスを取っているっぽいところ。

物語をドラマティックに動かすためには普通、男女どちらかに積極性が必要になるが、そこを欠いた中でどのような展開を見せるのか。

もしそれが可能であれば、ある種奥手と言われる現代ならではの恋愛劇の、新たな雛形になるかもしれない。もちろん消極性が仇となって、全体として地味な印象に終わる可能性もあるだろう。


【火曜日】
◆『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』(TBS/火曜22時/上野樹里主演/4月19日スタート)
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テーマは父娘のダブル婚活。娘役の上野樹里がヨガインストラクターで、父役の松重豊が辞書編纂者というあたり、まずは設定の隅々に至るまでニッチなところを狙っている(狙いすぎている?)印象。

いかにもいまっぽさを狙ったタイトルをつけておきながら、そのあとに「~父と娘の結婚行進曲~」という補足説明をつけてしまっているのは、ちょっと弱気で自信なさげに見える。ここはかなり迷ったはずで、内容を伝えるには必要という意見もわかるが、これをつけ足したことで一気に古い感触に。

そう考えてみると『半沢直樹』って題名はやっぱり凄いなと、改めて思う。何も説明できていないのに、あれだけ多くの人が見たのだから。

同じく吉澤智子が脚本を手掛けた『あなたのことはそれほど』は絶妙に怖くて面白かったが、今回はわりとほのぼのとしてそうに見えるので、あれを期待するわけにもいかないか。父と娘設定という意味では、『パパとなっちゃん』という名作を思い起こさせる部分も。


【水曜日】
◆『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』(日本テレビ/水曜22時/今田美桜主演/4月13日スタート)
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働く女性をターゲットにした日テレ水10枠らしいといえばらしい内容。

しかし前クールの『ムチャブリ! わたしが社長になるなんて』にも通じる安っぽい雰囲気を感じるあたり、ちょっと嫌な予感が…。

30年前にドラマ化された作品のリメイク作とのことで、この30年間における女性を巡る職場環境の変化がどのように反映されているのか、といったあたりも気になるが、はたしてその内容を上手いことアップデートできるのかどうか。

今田美桜の黒髪おかっぱ姿に違和感がありすぎて、すでにギャグ漫画に見えてしまっているのも不安要素…。


◆『ナンバMG5』(フジテレビ/水曜22時/間宮祥太朗主演/4月13日スタート)
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今シーズンから増設された「水10ドラマ」枠の第一弾は、脱ヤンキーを目指すヤンキードラマ。明らかに『東京リベンジャーズ』の大ヒットを受けて、という狙いが透けて見えるタイミング。

昨年秋の日テレドラマ『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール』は良質な作品だったが、あれはあくまでも白杖ガールのほうがメインだったから、純粋なヤンキードラマとは言えないかもしれない。

いまや絶滅危惧種とも言える「ヤンキー」という存在が、ちょうどいい距離感で古典的かつファンタジックな魅力を放ちはじめているということなのか、単にそれを題材としたいくつかの作品のクオリティがたまたま高かったというだけなのか。

このへんのドラマまでヒットしてくると、いよいよ本格的なヤンキーブーム到来ということになるのかもしれない。特にそれを望んではいないが。

踊る大捜査線』の本広克行が演出を務めるというのも、ひとつの注目ポイントか。


【木曜日】
◆『未来への10カウント』(テレビ朝日/木曜22時/木村拓哉主演/4月14日スタート)
www.tv-asahi.co.jp

木村拓哉主演×福田靖脚本という『HERO』のタッグがテレ朝で実現。

となれば当然のように期待は高まるが、肝心のキムタクの役どころが「ボクシング部のコーチ」であり、「学園スポーツドラマ」だと言われてしまうと、その期待はかなり減退する。

これもヤンキーブームの一環なのかなんなのか、どうも熱血ドラマが増えてきているような気がしないでもない。これもコロナの時代の閉塞感を、代わりになんとか打破してほしいという巷間のニーズを感じてのことなのだろうか。


◆『やんごとなき一族』(フジテレビ/木曜22時/土屋太鳳主演/4月14日スタート)
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華麗なる一族に嫁いだ一般庶民の奮戦記。いわゆる「格差婚」の最大値というか。

共演の松下洸平は、『最愛』の好演によりいまもっとも脂が乗っている俳優のひとりだろう。

問題はこの現実離れした設定のどこに、視聴者がリアリティを見出せるのかという点。一話目で、その取っ掛かりを見つけられるといいのだが。


【金曜日】
◆『インビジブル』(TBS/金曜22時/高橋一生主演/4月?日スタート)
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「刑事×犯罪コーディネーター」という構図は、いま深夜に放送されている『ケイ×ヤク―あぶない相棒―』を彷彿とさせるが、あえて天敵とバディを組むというのが、ひとつの流行になってきているのか。

昨今、飽和状態にある刑事ドラマからどう芯をズラして見せるかといった試みが多くおこなわれているが、これもその一貫だろう。たしかに、わかりやすい化学反応の公式ではある。

そこに主演が高橋一生となれば、どうしても『天国と地獄~サイコな2人~』を思い出す。

脚本担当のいずみ吉紘がかつて手掛けたドラマ『クロコーチ』は、原作漫画が存在するとはいえスリリングな作品であったので、サスペンスを生み出すその手腕に期待が高まる。


◆『家政婦のミタゾノ5』(テレビ朝日/金曜23時15分/松岡昌宏主演/4月22日スタート)
www.tv-asahi.co.jp

個人的に大好きなドラマなので、また帰ってきてくれたことが嬉しい。

とはいえ、前シーズンあたりはさすがにやや失速感もあったので、なにかしら新要素や新展開が欲しいタイミングでもある。そもそも一筋縄ではいかない作品なので、何かやってくれると期待している。

このドラマの魅力に関しては、以前書いたこちらのレビューを是非。

radiotv.hatenablog.com


【土曜日】
◆『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~』(日本テレビ/土曜22時00分/ディーン・フジオカ主演/4月23日スタート)
www.ntv.co.jp

こちらも「警察官僚×天才科学者」という、刑事ドラマの芯を少しズラした組み合わせ。

いまどき科学捜査は通常の刑事ドラマにも普通に入ってくるので、それ以上の、もう一段階上の科学の使いかたという引き出しがあるのならば、他の刑事ものとの違いを生み出せる可能性はある。

この土曜10時枠自体、かなりはずれが続いている印象があったが、いまやっている『逃亡医F』は意外と面白いので油断は禁物。


◆『クロステイル〜探偵教室〜』(フジテレビ系列/土曜23時40分/鈴鹿央士主演/4月9日スタート)
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この東海テレビ制作「オトナの土ドラ」枠は毎度当たりはずれが激しいが、チャレンジングであるとも言える。今クールの『おいハンサム!!』が意外にも面白かったので、次もついまた期待してしまう。

しかも今作の脚本は、『半沢直樹』から『家政婦のミタゾノ』まで書き分ける八津弘幸。そのわりには題名が普通っぽすぎるのが気がかりではあるが、なにかしら面白くしてくれるはず。


◆『マイファミリー』(TBS/日曜21時00分/二宮和也主演/4月?日スタート)
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誘拐事件が軸にあるドラマでありながら、サスペンスでもミステリーでもなく「ファミリーエンターテインメント」だと謳っているのが興味深い。

脚本家は『グランメゾン東京』『危険なビーナス』など、すでにこの日曜劇場枠でも実績充分の黒岩勉。個人的にはむしろサスペンスやミステリーのほうを期待してしまうが、誘拐からどう家族を描き出してくるのかに注目。


◆『金田一少年の事件簿』(日本テレビ/日曜22時30分/道枝駿佑主演/4月24日スタート)
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どうしてもいまさら感が強いが、すでに漫画やアニメでクオリティは証明されているので、あとはドラマなりの新鮮味をいかに出してくるのか、というくらいか。

とはいえ、わざわざドラマで観なくても、という気がついしてしまうのは否めないが…。


【今期の個人的注目作】

◎『クロステイル〜探偵教室〜』
 八津弘幸のオリジナル脚本に期待。
 

○『インビジブル
 高橋一生とサスペンスの相性の良さ。
 
○『家政婦のミタゾノ5』
 今期は個人的に、どうにも八津弘幸シフト。

△『恋なんて、本気でやってどうするの?』
 ラブコメが稀少な今期。ありがちなラブコメをアップデートできるか。