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2022年4月期春ドラマ序盤レビュー

春ドラマ開始前に書いたこちらの記事への、アンサーというか説明責任というかとりあえずの答えあわせというか。今期の各ドラマに関する寸評を書いてみたい。

ちなみに今回は特に、予想も期待も大きくはずれている。脚本家を信頼しすぎたせいかもしれない。

radiotv.hatenablog.com

とりあえず現在の視聴状況に合わせて、【視聴継続中】【HDD蓄積中】【挫折】の三段階評価(?)をつけてみた。【HDD蓄積中】に関しては、録画がどんどん溜まっていって、この先続きを観るかもしれないし、観ないままやがて消してしまうかもしれないし、という状態。


【月曜日】
◆『元彼の遺言状』(フジテレビ/月曜21時/綾瀬はるか主演)【HDD蓄積中】
意味深な遺言状の謎をばら撒くだけばら撒きまくった初回。それを最終話にかけてじっくり解明していくのかと思いきや、その展開は2話目であっさりお開き。3話目からは普通の地味な「町弁」ものになってしまった。

前クールの『ミステリと言う勿れ』で味を占めたのか、初速を高めるために序盤に大きな展開を持って来ておいて、あとは地味な話をマイペースにやるという竜頭蛇尾な手法。

序盤にいったん摑んでしまえば、視聴者は惰性で観続けてくれるだろうという甘えは明らか。いわば吉野屋作戦。


◆『恋なんて、本気でやってどうするの?』(フジテレビ/月曜22時/広瀬アリス主演)【視聴継続中】
古典的な少女漫画的設定で、正直なところ主役の恋愛自体にそこまで物語を牽引する力は感じないが、「男女六人計三組による三者三様の恋愛」という合わせ技で見続けている感じ。

特に意味ありげな藤木直人の正体は気になるところ。


【火曜日】
◆『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』(TBS/火曜22時/上野樹里主演)【視聴継続中】
ここも主役というよりは、父親の松重豊井川遥の恋愛のほうが気になる。

主人公の恋愛に関しては、いつどこで恋愛感情にスイッチが入ったのかがわかりづらく、視聴者の感情がやや置いてけぼりを喰らう印象。

親子が互いの恋愛をどうサポートしあっていくのか(時に邪魔になったりもしながら)というのが、今後の見どころかもしれない。


【水曜日】
◆『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』(日本テレビ/水曜22時/今田美桜主演)【挫折】
30年前のリメイク作ということで、古さを懸念していたがやはり古かった。設定はアップデートしていても、やはりキャラクターが古い。

脳天気な主人公に悩みがなさすぎて、ついていけず2話目で挫折。トラブルに遭遇しても苦悩しないので、物語の中心にあるべき葛藤というものが存在しない。この人はわざわざ見守っていなくとも、放っておけばどこでも誰とでも上手くやっていくだろう、という気になってしまった。


◆『ナンバMG5』(フジテレビ/水曜22時/間宮祥太朗主演)【視聴継続中】
ヤンキーものはむしろ苦手な部類だが、細部まで気が利いていて面白く、コメディとしてよくできている。個人的には、今期イチの掘り出しもの。

配役も見事にハマッており、ストーリーも喜怒哀楽全方位に充実している。

二話目の放送延期でやや躓いた感はあるが、このクオリティは信頼に値するだろう。


【木曜日】
◆『未来への10カウント』(テレビ朝日/木曜22時/木村拓哉主演)【視聴継続中】
オーソドックスな学園ドラマであり、やや強引な展開も見られるが、木村拓哉の存在感でねじ伏せられてしまう。特に今回は、プレイヤーではなくコーチという一歩引いたスタンスであるからこそ、その存在が全体の中で際立って見える。

彼のドラマが始まるたびに、「いつものキムタク」と揶揄する声も聞かれるが、それは物事をあまりに大雑把に捉えすぎなのではないかと思う。黙ってそこに居るだけでもモテてしまう「あの日のキムタク」の姿は、ここにはない。

もちろん、最終的に主役にもっとも美味しいところが還元される構造になっているのは、どんな作品でも当然の話で、でなければその人を主役とは呼ばない。

脇を固める満島ひかり生瀬勝久のコメディ的な間の良さも存分に発揮されており、笑える会話も多い。滝沢カレンの演技が自然なのにも驚いた。今期1、2を争う楽しみなドラマになっている。


◆『やんごとなき一族』(フジテレビ/木曜22時/土屋太鳳主演)【視聴継続中】
極端ではあるがベタなシンデレラストーリーではあり、感情移入が難しいかと思ったが、意外と楽しみながら観ている。

それは設定的に悪役の分量が多く、かつそれぞれが遠慮なく嫌な奴として描かれているからで、とにかく主役が正しいと思うことさえ貫けば、どこと当たっても自ずから爽快な逆転劇が生じる構図になっている。


【金曜日】
◆『インビジブル』(TBS/金曜22時/高橋一生主演)【HDD蓄積中】
観続けるべきか悩んでいる。

どうも柴咲コウの役どころに、リアリティを感じられないというのが大きい。裏社会を牛耳る「犯罪コーディネーター」として一目置かれている存在には、どうにも見えないからだ。

その危険かつ微妙な立場を貫くには、とんでもない人望、才能、スキル、経歴、非情さ等が必要であるに違いない。それらを含めての、圧倒的威圧感が求められる。

あえてそういうものを感じさせないのが、逆に非凡さを感じさせるという漫画的なキャラクター造形なのだろう。だが命がけで本能的に生きている人たちを前に、そんなひねりは通用しないだろうと思ってしまう。

人は追い込まれれば追い込まれるほど、古典的な基準で人を判断するものだから。


◆『家政婦のミタゾノ5』(テレビ朝日/金曜23時15分/松岡昌宏主演)【視聴継続中】
大好きな作品なのだが、シーズン5ともなると、さすがにネタ切れ感は否めない。

既視感のある展開が多く、観ていて意外性を感じづらくなってきているのは間違いない。少年漫画であれば、強力なライバルキャラでも登場させたいところ。

まだ期待を捨てきれないので、観続けるつもりではあるが……。


【土曜日】
◆『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~』(日本テレビ/土曜22時00分/ディーン・フジオカ主演)【挫折】
「科学捜査」という部分を打ち出したいのはわかるが、そこに頼りすぎて、肝心の人間ドラマの部分がおろそかになっている印象。

不思議な事件が起きているはずなのに、その裏にある人間たちの心の動きが単純化されすぎているので、いまいち興味を惹かれなかった。


◆『クロステイル〜探偵教室〜』(フジテレビ系列/土曜23時40分/鈴鹿央士主演)【挫折】
脚本家に期待しすぎたかもしれない。イチ推し予想したにもかかわらず、2話目で早々に挫折(気持ち的には1話目の最中にはすでに)。

思いのほかちゃんとした探偵術を学ぶ内容で、ミステリ的な緊張感も、コメディ要素も乏しい。

東海テレビ枠は、やはり当たりはずれが激しい。


【日曜日】
◆『マイファミリー』(TBS/日曜21時00分/二宮和也主演)【視聴継続中】
解決策にかなり強引な部分も多々あるが、物語の緊張感は持続している。「考察」を誘発するような、いまっぽい作りのドラマである。

とはいえ、『真犯人フラグ』などに比べると、考察すべき要素はさほど多くはないので、それだけを期待するとやや淡泊に感じるかもしれない。そのぶんは日曜劇場らしい、人間ドラマの部分で補っていくことになるのだろう。

とりあえず今期で一番、先が気になるドラマではある。


◆『金田一少年の事件簿』(日本テレビ/日曜22時30分/道枝駿佑主演)【挫折】
アニメでやっていたころはそこそこ観ていたが、こうして学園ドラマとしての部分を強調されると、やはり人が多数死んでいるにもかかわらず、彼らが平然と学校に通えていることに違和感を感じてしまい、1話目で挫折。