寝耳に日刊ラジオレビュー 2021年11月8日(月)号~もの忘れの妙~
【聴いた番組】
『JUNK おぎやはぎのメガネびいき』(TBSラジオ)
『和牛のモーモーラジオ』(文化放送)
『TENGA presents Midnight World Cafe ~TENGA茶屋~』(FM大阪)
『トータルテンボスのぬきさしならナイト! Season 2』(ニッポン放送 Podcast Station)
おぎやはぎは若いころからつかみどころのない会話をする人たちだったけど、近ごろはそこに天然のもの忘れが加わってきて、それが楽しい。
遅ればせながら聴いた今回も、映画のタイトルが思い出せず二人して呻吟するが、その解答近辺をさまようプロセスが面白い。リスナーの指摘によると、以前にも同じ作品名を思い出せなくて苦労した場面があったが、そのときはまた今回とは別のところで引っかかって出てこなかったと。
前のときに思い出せたことが今回は思い出せず、逆に前回思い出せなかった部分が今度は思い出せているというあべこべな状態。普通に考えれば、記憶というものは遠のけば遠のくほどに薄れていきそうなものだが、前よりも濃くなっている部分もあるというのが、なんだか妙にリアルでちょっと頼もしくもある。
いまやすっかり検索文化になったおかげで、わからないことはすぐに答えあわせをする癖がついているけれど、こうやって安易に調べないからこそ盛り上がる会話というのも確実にあるということを、忘れないようにしないと。
携帯電話が恋愛における待ちあわせのドラマを減退させたように、検索エンジンがその利便性と引き替えに衰退させた会話の妙味というのも、間違いなくあるのだと思う。
寝耳に日刊ラジオレビュー 2021年11月7日(日)号~句読点と「ん」の消失~
【聴いた番組】
『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(JFN系列)
『キョートリアル! コンニチ的チュートリアル』(KBS京都ラジオ)
『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ)
『サンドリ』で有吉が、自らも先週アシストしたアルピー酒井による満を持しての「婚約」発表にひとツッコミ。たしかにいまどき、結婚ではなく婚約発表とは珍しい。もはや貴族的なプロセス。さすが静岡の王族である。
そういえば発表過程のクレイジーさにすっかり翻弄されるあまり、根本的な違和感を忘れていたような。そこでしっかりと尻尾を掴まえる先輩の着眼点。裸の王様が、実は全裸ではなくパンツ一枚穿いていることを指摘してくれる人。
『キョートリアル』では、関西弁の表記法について問いかけるメールから、再び福田の句読点のないメッセージが話題に。
それだけでなく、福田は「なんでやねん」と打つ際に、「なんでやね」と最後の「ん」をなぜか省略して打ってくるという。しかも無意識に。
文体の癖というのはそれぞれにあると思うが、それだとある種の疑問形か、あるいは最後の「ん」を打つ前に寝落ちしたのかと思ってしまいそうではある。ああ見えて、結構天然な人なのだよな、と再確認。
ラジオドラマの北方版『三国志』を聴き続けている。かなり駆け足ゆえのダイジェスト感はあって、早くも孫堅に非業の死が。これはどれくらいの期間、どこまでやってくれるのだろうか。
寝耳に日刊ラジオレビュー 2021年11月6日(土)号~妄言と謎ルールのコンビネーション~
【聴いた番組】
『三四郎のオールナイトニッポン0』(ニッポン放送)
『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)
『さらば青春の光がTaダ、Baカ、Saワギ』(TBSラジオ)
『さらば青春の光がTaダ、Baカ、Saワギ』(TBSラジオクラウド)
『シソンヌの“ばばあの罠”』(RKBラジオ)
いつも妄言が飛び出す『三四郎ANN0』だが、今週は特に、小宮の「この人、ずっと何言ってんだろ」感が凄かった。それに最低限ツッコミながらも、適度に泳がせてつきあっては振りまわされる相田の役まわりも秀逸で。
毎週のように、この番組内でしか通用しない謎のルールや因果律が生み出されていて、それをリスナーも一緒に深掘りしていく喜びがある。
『オードリーANN』には、DJ松永が電話出演。
先日若林と共演していた『ボクらの時代』でも言っていたけど、パーソナリティーといちリスナーという出発点からいまに至る二人の経緯には、なんだか胸を熱くさせるものがある。