2021/7/24(土)のラジオ聴取日記~アイデアと思い切り~
【聴いた番組】
『土曜ワイドラジオTOKYO ナイツのちゃきちゃき大放送』(TBSラジオ)
『さらば青春の光がTaダ、Baカ、Saワギ』(TBSラジオ)
『ちゃきちゃき』はゲストに演出家の喰始。主宰する劇団『WAHAHA本舗』のイメージが強い人だけど、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』にも放送作家として関わっていたという事実を今さら知った。
「この業界に長く居たいと思っている人は消えて、『別に』と思っている人のほうが続く。自分の変化を平気で見せるから」という冒頭の発言に、なぜだか一気に引き込まれる。
前日おこなわれた東京五輪開会式の演出について訊かれると、「思い切らないねぇ~」と、まずは上層部の勇気のなさを嘆いてみせる。コロナ禍かつ無観客というこの特別な状況に、いつも通りの開会式をやってもしょうがない。むしろこの現状を余すところなく表現すべきだとばかりに、彼は自らのアイデアを語りはじめる。
《真ん中に龍安寺を模した巨大な石庭。そこへは誰も立ち入らせず、その周辺を行進するという静かなセレモニー。そして最後、「明日からはお祭です」というメッセージとともに、聖火台へ点火――》
『WAHAHA本舗』の印象とは真逆とも言えるアイデアに驚くが、たしかに求めていたのはこういう「思い切り」かもしれない。そして「静」と「動」のメリハリ。現状の過酷さと、祭の楽しさの両面を表現し、その切り替えのスイッチとして機能する開会式。表層的な賑やかさではなく、現状を受け止めるリアルな実感と心に届くメッセージが込められているかどうか。
それにしても、かつてのテレビやお笑いの現場を知る人たちは、なぜこうも自由で、かつ根性が座っているのか。
その答えは、やはり冒頭の発言につながってゆくのかもしれない。