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2021/6/27(日)のラジオ聴取日記~MC若林の思考の流れ~

日曜ラジオ

【聴いた番組】

『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送

キョートリアル! コンニチ的チュートリアル』(KBS京都ラジオ)

番組の司会をやることが増えてきたオードリー・若林が語るMC術というか、MCをやっている際の思考の動きを語っているのが面白かった。

たとえば台本に書いてあることを、どこまで忠実にやるか、とか。

僕もラジオ番組の台本を書いていて学んだのだが、台本にはスタッフの意図とういうものがあって、しかし台本に書いてあるとおりにやればその意図が達成されるとは限らない。

その瞬間瞬間における現場の空気感や話の流れというものもあるし、スタッフが出演者の動きを読み違えていることだってもちろんある。相手が人間である以上、台本の時点ですべてを見通すことは誰にもできない。

それにすべてが台本通りに動いたら、それはそれで操り人形のようで面白くないのだから、MC役の人間は台本のどこを生かしてどこをスルーするかを、その場その場で判断しながら番組を進行する必要がある。

時には台本に込められたスタッフの意図を実現するために、台本とは違う動きをしたほうが良いことも少なくない。

たとえばAさんの話を聴きたい場合、台本上にはAさんが話すターンになっていても、そのときの現場の空気によっては先にBさんに話を振ってからAさんに横から食いつかせたほうが、Aさんの話が際立つかもしれない。

そうなれば、プロセスは台本の流れを無視していたとしても、結果は台本が意図した以上の効果を挙げることになるから、スタッフにとってもそのほうが良いということになる。

番組進行中の思考プロセスを自ら客観的に分析し、事情をよく知らない人にもわかるように説明できるというのが、若林の凄さだと改めて思う。

同時に「春日のフリートークに茶々を入れたほうがいいのか、入れないほうがいいのか」といった、コンビにとってより身近な話題も挙がっていたが、これもまた「相手をどう生かすか」という若林の視点が感じられて興味深かった。

これはすべての仕事や人間関係に通じる話かもしれない。