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2021/6/23(水)のラジオ聴取日記~4人はアイドル、トランプは日本人~

水曜ラジオ

【聴いた番組】

『JUNK 爆笑問題カーボーイ』(TBSラジオ

アルコ&ピース D.C.GARAGE』(TBSラジオ

『#むかいの喋り方』(CBCラジオ

『エイトブリッジのヤキトリエルボー』 #54(GERA)

爆笑問題太田光が、『つぶやき英語』で共演している鳥飼先生の本を読んだ話が実に興味深い。

当時アメリカに留学していた鳥飼先生によれば、デビュー当初のビートルズは、アメリカの女子学生にも圧倒的な人気を誇っていたという。

もちろんそれはそうだろう。しかし。

アメリカの若い男たちのあいだでは、ビートルズはむしろ嫌われていたというのである。

それには彼らの爆発的人気へのやっかみもあったのだろう。

当初は日本でもアイドル的な扱いを受けていた彼らだから、同性から警戒されたとて不思議はないのだが、たしかにアメリカらしくない気もする。

そして彼女は、あのように革新的な音楽が自由の国アメリカではなく、アメリカ人からは保守的だと見なされていたイギリスからやってきたことが、とても不思議に感じられたという。

こういう当時の現場の皮膚感覚の話は、もちろん個人的な感想もいくらかは混じっているのだろうが、やはり面白い。

しかし考えてみれば、自由を好んでいるように見える人が、必ずしも本当の自由を求めているとは限らない。

前々回のアメリカ大統領選において、「隠れトランプ」と呼ばれる存在が多数存在していたように。

この感覚はもちろん、ビートルズの音楽をポップなものとして評価するか、その革新性を評価するかでも大きく変わってくるだろう。

この二律背反とも思える要素を両立させてみせたところにビートルズの凄さはあって、そこでポップさのほうに軸を置いて評価するならば、その魅力はアメリカに限らず国を問わないはずだから。

そしてそうやって太田が示唆に富む話をするいっぽうで、相方の田中はといえば、なぜだかはまったくわからないが「トランプ元大統領がずっと日本に住んでいると思っちゃった」という話をしていて噴き出した。

このふたつの話題はトランプを介してつながっているわけではなくて、厳密に言えば田中の話のほうが先なのだが、ある日急に田中が、「そういえばトランプって日本に住んでるんだよな~」と当然のように思いはじめ、そう思ってしまう自分をまったく不思議に思わずに受け入れていたというのが、なんだか保坂和志の小説のようで面白い。

この手の話はあっさり「天然」と言われてしまうのかもしれない。

だけどたしかにこういうなんの疑いもない勘違いというのは結構あって、そのままたしかな情報として知識を披露したのちに、ふと思い立って念のため検索してみたところ、あり得ない間違いに気づいて慌てて訂正する、というパターンには思い当たる節がある。

こうやって爆笑問題の二人がした話を単純に並べてみるだけで、つくづく互いを補いあういいコンビだなぁと改めて思ったのだった。