2021/6/16(水)のラジオ聴取日記~めくるめく高田文夫伝説~
【聴いた番組】
『ナイツ ザ・ラジオショー』(ニッポン放送) ゲスト:高田文夫
『#むかいの喋り方』(CBCラジオ)
『ナイツ ザ・ラジオショー』にゲスト出演した高田文夫の虚実入り交じったトークが圧巻だった。
まるでイタロ・カルヴィーノ『レ・コスミコミケ』の、宇宙の始まりからすべてを目撃してきたと言い張るQfwfq老人のように痛快な語り口。
《20代の10年間は、ずっと台本書いてたからトータルで4時間しか寝ていない》
《『ポンキッキ』でガチャピンにキューを出しながら、同時に演舞場を作った。俺はお笑い界の隈研吾と呼ばれてる》
《『ひょうきん族』と『全員集合』の両方に関わってたのは俺だけ》
《どうしても山口百恵のパンツが見たくて、寝起きドッキリを考えた》
――などなど、伝説と嘘を交互に繰り出して煙に巻くそのトークの渦に、すっかり巻き込まれていく楽しみ。
もちろん、彼が『ひょうきん族』と『全員集合』の両方に携わっていたという話なんかは、まるで嘘みたいな話だが本当のほうだ。
とにかく相手の放つ言葉すべてに乗っかり、即座に斜め上のアンサーを繰り出してくる。やっぱりこの人は怪物だ。
70を超えてこの頭の回転を維持しているどころか、むしろその回転を速めているとすら感じられることは、加齢を怖れるすべての人に希望を与えているんじゃないかと本気で思う。
しかもかつて心臓が4回も止まって死にかけて、その心臓にはペースメーカーが入っているというのに。
あるいはペースメーカーに、脳内回路を高速化させるAIでもついでに組み込まれているのか。
高田文夫は有吉弘行をはじめ、様々な若手芸人たちの可能性をいち早く見出してきた名伯楽でもあるが、そのプレイヤーとしての能力もいまだ全盛期どころか、あえて言わせてもらうならば末恐ろしい。