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2026年冬ドラマ第1話感想/レビュー第3弾(1月スタート作)~『再会~Silent Truth~』『東京P.D. 警視庁広報2係』『未来のムスコ』

2026年冬ドラマの初回レビューも第3弾。ひょっとして作品ごとの個別エントリにしたほうがいいんだろうか、とも迷いつつ……。なお作品の放送順と取り上げる順番は必ずしも一致しておらず、あとまわしになっている作品もあります。

今回は『再会~Silent Truth~』『東京P.D. 警視庁広報2係』『未来のムスコ』について。


◆『再会~Silent Truth~』(テレビ朝日/火曜21時/竹内涼真主演)

やはり事前の予想どおり、設定に限らず音楽やスローモーション等の演出面も含めて、TBSの『最愛』という成功例を強く意識しているように見えた。

幼少期に起こした事件と現在の事件がつながるというある種の「四次元展開」は、前クールの『良いこと悪いこと』と同じく昨今の流行のようになっており、物語に時間的な深味とノスタルジーを加えている。

とりあえず1話目の時点では現在起きている事件のインパクトがやや弱いように思われるが、これがさらに凶悪かつ連続的に拡大していくことによって、同時に過去の罪も重みを増していくという展開が待っているのだろうか。

その過去の事件に関しては、シーンとして頻繁に挿入されるわりには、あまりに情報を抑えすぎているような気が。受け手に物語の縦軸を強く感じさせるためには、もう少し事情を明かしてくれたほうが全体の緊迫感につながるのではと感じた。

ここから先はどのタイミングで、どの順番で、どの程度の情報を繰り出していくかが重要になってくるだろう。登場人物はいずれもなんらかの裏がありそうで、作品のクオリティに関しては間違いないように思う。


◆『東京P.D. 警視庁広報2係』(フジテレビ/火曜21時/福士蒼汰主演)

刑事ドラマが飽和している状況の中で、隙間を縫うように「広報課」設定をあえて選んできた本作。

そうなれば自然と、「広報課はあまり事件に関わっていなさそうに見えて、実はこんな重要な役割を担っている」という内容を期待してしまうもの。だが1話目を観る限り、その可能性や期待感よりもむしろ、予想以上にその「何もできなさ」ばかりが伝わってしまっているように感じた。

それはもちろん、今後高く跳ぶためにいったんしゃがみ込んでいる予備動作のような状態ではあるはずだが、それにしてももう少しくらいは「広報課だからこそできること」の可能性を提示しておいてくれないと、観る側としてはこの先への興味を維持するのが難しくなってしまう。

作風としては『踊る大捜査線』以降の、警察組織の内部をメインに描く物語になりそうだが、その内側の部署間の関係性がどうにもわかりにくい。

『踊る』のように「所轄 vs 本部」というような明確な対立構造ならば把握しやすいのだが、本作は警察組織の内部構造をはしょらずにできるだけ正確に描写しようという気持ちが強いのか、単に「現場 vs 広報」のような二項対立にはなっておらず、そのあいだや上に様々な部署が絡んでくるため、結果として誰が味方で誰が敵なのかが非常にわかりづらくなっている。

そのうえ1話目で中心的役割を果たしていたのは、公式HPの相関図にすら含まれていない「人事監察課長」であり、この監察とその他の課の関係性というのがまた見えづらく、いったい誰が誰と戦っているのかが直感的に把握しづらい構図になってしまっている。

加えて1話目から思いのほか大量に登場してくる警察の面々が、いずれも同年代の男性で同じように地味な見た目と落ち着いたトーンを持っているものだから、観ていてキャラクターの把握がなかなか追いつかず、頭の中で関係図を作りあげるのにかなり苦労させられた。

これらはひとことで言えば全体にリアリティ重視の姿勢であるとも言える(たぶん実際にはこれくらい、あるいはこれ以上に面倒な組織になっているのだろう)が、やはりエンタメとして成立させるためには、もう少し大胆に省略すべき部分があったのではないか。

そしてこの「キャラかぶり」の件に関してはもしかすると、事前に告知されていた「ライターズルーム方式」による集団脚本の影響があるのかもしれない。

ひとりで脚本を書く場合、キャラクターの書き分けが難しいと思われがちだが、実はひとりが全キャラを把握できているため重複している要素に気づきやすく、書き分けの必要性に思い当たりやすいという利点もある。

一方で大人数でキャラクターを考案して持ち寄った場合、最後に俯瞰してまとめ上げる人間が全体のキャラクター配置バランスをかなり厳しく見極めて修正指示を出せないと、結果として似たようなイメージの登場人物ばかりが集まってしまう可能性がある。

もちろんどのような作業分担の仕方をしているのかはわからないし、いずれにしろキャラクターが出揃った段階で調整する必要があるわけだが、そこらへんの指揮がまだ不慣れなシステムゆえ十全に機能していないのかもしれない。

全体にコメディ的な遊びもほとんどなく、複雑な構図になっているおかげで入口のハードルは結構高くなってしまっているように思う。だがその煩雑さが視聴者に根づいてくる段階までいけば、序盤に面倒な設定を丹念に打ち込んでおいたぶんだけ、後半の展開に厚みが出て尻上がりに物語が加速していく可能性はあるだろう。


◆『未来のムスコ』(TBS/火曜22時/志田未来主演)

すっかり出尽くした感のあるタイムスリップ設定をやるからには、何かしらの新味が加味されているのかと思いきや、とくにそういった要素は見当たらず。

「未来からやってきた子供の父親=主人公の未来の夫を捜す」というのが主軸になってきそうだが、それ以上に「未来からやってきた子供」という信じがたい事実を周囲の人間や社会に納得してもらうことがあまりに大変そうすぎて、むしろそのオカルト的要素をどう社会に伝えていくのかというほうに興味が行ってしまう。

そういう意味で、このSF設定が親子の人間ドラマを増幅させるというよりは、むしろ邪魔になっているように感じてしまった。


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