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寝耳に日刊ラジオレビュー 2021年11月1日(月)号~アルピー酒井相談員のズバリ名回答~

月曜ラジオ

【聴いた番組】

『83 Lightning Catapult』(Spotifyポッドキャスト

空気階段の踊り場』(TBSラジオ

北方謙三 原作 ネオラジオドラマ 三国志』(文化放送

『小籔・笑い飯の土020』(MBSラジオ

宮下草薙の15分』(文化放送

『チョコレートプラネットの東京遊泳』(文化放送

『ライカタ』冒頭のお悩み相談メールに、アルピー酒井の思いがけぬ名回答が炸裂。

友人に見下されると感じたらすぐに関係を絶ってしまうという相談に対し、それは自分のプライドが高すぎるからだと一喝。上とか下とかくだらない。そもそもの自己評価が高すぎるから、先に自分が相手のことを下に見ているから、そういう感覚になるのだと。

これは本当にそうだと思う。特に他人との比較が容易になった(ように見える)SNSが普及して以降、さらにその傾向は強くなっている。だからこの相談者の悩みは珍しくない。むしろ大半の人がそう感じながら生きているのかもしれない。

人は基本的に、自分の基準で相手を判断する。そしてその判断基準は、自分のコンプレックスに端を発していることが多い。身長が低いことを気にしている人は他人の身長ばかり気になるし、これから痩せようと考えている人は他人の体重が気になってしょうがない。

いまの時代、相手との上下関係ばかりが気になって、すっかりマウンティング合戦に巻き込まれてしまっている人は多い。そもそもそんな判断基準を持っていなかった人も、他人のSNSを見ているといつのまにか羨ましくなり、ちょっとでも上回ってやろうと思いはじめる。

そうなると世のなか常に上には上がいるから、その基準に巻き込まれたが最後、常に誰かから見下され続けているように感じてしまうようになる。これはとても不幸なことだ。「相手に見下されたくない」という感情の裏には、「相手を見下してやりたい」という欲望が貼りついている。

そういう負のループから抜け出すにはまず、「見下されたくない」という感情を取り払うよりも、「見下してやりたい」という気持ちを捨て去るほうが先決なのかもしれない。後者がまず薄まれば、相手を上下関係で把握するという基準そのものが消え去って、見下されていると感じることも自動的に減るだろう。

感覚的に放たれている言葉であるように見えて、論理的にも納得がいく。今回の酒井の回答を聴いて、胸元を抉られた人は少なくないと思う。