寝耳に日刊ラジオレビュー 2021年10月18日(月)号~スポティ家の君臨とゲスト不要論~
【聴いた番組】
『83 Lightning Catapult』(Spotifyポッドキャスト)
『アインシュタイン・山崎紘菜 Heat & Heart!』(文化放送)
『きつねのこんこんらじお』(FM NACK 5)
『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(JFN系列)
『キョートリアル! コンニチ的チュートリアル』(KBS京都ラジオ)
番組開始早々、スポティファイのポッドキャストランキングで1位に君臨する『83 Lightning Catapult』。
先週から引き続き、まさかのスポティファイ本体イジりが面白い。アルピー酒井が咄嗟に名づけた「スポティ家」というそのまんますぎる響きの絶妙な珍妙さ。こういう妄想トークに華が咲く時間帯は、さすがアルピーと三四郎の組みあわせだと感じさせる。スポティ家には早くアーセナルを買い取って強くしてほしいものだ。
いっぽうで本筋であるはずの、リスナーの悩み相談と流行発信に関しては、まだまだ手探り状態な感触。この煮え切らない感じこそが、この二人でラジオをやる意味だとも言えるが、わりと早い段階でコンセプトなどあっさり消え去る予感も。むしろ形が崩れてからが、本領発揮のような気もしないでもない。
『アインシュタイン・山崎紘菜 Heat & Heart!』は今週のように、やはりゲストなしのレギュラー三人だけで会話をする回のほうが、圧倒的に笑いの濃度が上がる。
ラジオの場合は特に、ゲストを入れる場合はよほどパーソナリティーと関係性の強い人でないと、番組の内容が薄まってしまうという積年の問題がある。
ゲストを呼ぶと、その回はそのゲストのファンが少なからず聴いてくれたりもするのだが、そういう人は結局そのゲストが出ない次回以降は聴かないから、結局のところリスナーの増加と定着にはつながらないことが多い。そのあいだにむしろ、薄まった内容にガッカリした古参のリスナーが離れていくという悲劇も起こり得る。
しかしテレビを観ていればわかるように、一流芸能人というのはつまり「関係性の浅いゲストを上手いこと回せる人」という定義にどうやらなっている。
特に芸人の場合はみんな、ゴールデンで冠番組の司会をやるためにはその道を通らなければならなくて、あらゆる場所でそれができることを証明する必要があるようだ。
個人的には、それが芸人にとって最高のルートだとは全然思わないのだが、司会者がギャラの最高到達点であるという長年の仕組みが変わらない限り、この傾向は続いていかざるを得ないのだろう。
話が大きくなりすぎたが、アインシュタインと山崎紘菜の三人のコンビネーションは、日に日に濃くなっているという実感が間違いなくある。